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あの日から10年 3.11を振り返る

最終更新日 2021年02月10日

展示期間 : 02月から03月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
2011(平成23)年3月11日、最大震度7を観測する大きな地震が発生し、巨大な津波や原子力発電所の事故を引き起こしました。多くの命が失われ、それまで当たり前だと思っていたことが一瞬にして崩れ去り、価値観が根底から揺らぐような大きな衝撃を人々に与えました。そして、3月11日は、私たちにとって特別な日になりました。
東日本大震災の発生から、2021(令和3)年で10年が経過します。しかし、被災地の復興は未だ道半ばにあります。また、東日本大震災の記憶が過去のものとなりつつあります。震災発生時に被災者の身にどのようなことが起きていたのか、被災者が現在に至るまでどのような道を辿ってきたのかを改めて見つめ直してみませんか。10年経った今だからこそ、気付けることがあるかもしれません。また、どのような教訓が得られるのかを考えることで、もしもの時のために必要な備えやいざという時の対処方法を学び、自分や大切な人の命を守るための知識を身につけることもできるでしょう。
この展示では、実際に被災した人々やボランティアとして被災地に足を運んだ人々の体験記やルポルタージュ、復興に励む人々や地域の取組みを記した本を集めました。加えて、防災や災害時の心構えについて書かれた本を紹介します。
節目を迎えるこのタイミングで、今一度、震災を振り返り、震災のことを知り、防災に対する意識を見直す機会にしてみませんか。

展示関連情報

復興に励む人々

『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』

佐々涼子/著 早川書房 2014年
日本の出版用紙の約4割は、日本製紙の主力工場がある石巻で生産されてきました。多くの図書の材料として紙を生産してきたこの工場も、震災では津波に呑み込まれてしまいます。工場閉鎖を考えずにはいられないほどの壊滅的な被害の中、それでも、工場長は半年での復興を目標に掲げます。瓦礫の撤去から始まった再開への道のりは、各作業の担当者がまるでバトンをつないでいくように、順を追って進めなければ上手くはいきませんでした。紙を待っている読者のため、そして地元石巻の復興のため、過酷な状況から立ち上がった人々の姿を描いたノンフィクションです。

『蘇るサバ缶 震災と希望と人情商店街』

須田泰成/著 廣済堂出版 2018年
宮城県石巻市にある木の屋石巻水産は、サバ缶などを取り扱う会社です。津波によって、海沿いにあった工場は壊滅状態となり、約100万缶の缶詰は津波で流されてしまいました。そのような状態の中、以前から交流のあった東京都世田谷区の経堂にある商店街に、瓦礫の中から掘り起こされた缶詰が運び込まれます。商店街の人々は、泥だらけとなった缶詰をひとつずつ洗浄し、磨き上げ、販売をしました。この活動は大きな反響を呼び、泥だらけだった缶詰は「希望の缶詰」と呼ばれ、工場再建へと繋がっていくこととなります。

『夢と希望の三陸鉄道 開業30周年&全線運行再開記念』

中井精也/撮影 徳間書店 2014年
大きな被害を受けたにもかかわらず、三陸鉄道はわずか5日後に列車を再び走らせはじめます。見渡す限りの瓦礫が続く景色の中、たくさんの物資を乗せて走るたった一両のちいさな鉄道は、どれだけ被災地を勇気づけたことでしょう。地道に復興を進め、3年後、全国からの応援や支援を受けて全線再開を迎えた日には、ホームで力いっぱい大漁旗を振り、「おかえり」と列車に声をかける人々の姿がありました。震災直後から地元の人々と共に復興の道のりを歩んできた三陸鉄道の写真集です。

『みちのくにみちつくる』

しまたけひと/著 双葉社 2016年
被災地復興を目指して開設された「みちのく潮風トレイル」は、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐ自然歩道です。この本は、著者が現地700キロを歩いて取材したことを元に描かれました。登場人物達は、みちのくの美しい景色や人情の温かさに触れる一方で、復興の進まない被災地の現状や、様々な理不尽にさらされた人々のやり場のない感情、取り残されることへの焦りを目の当たりにします。不甲斐なさを感じて悩みながらも、自身にできることは何なのか、トレイルの意味は何なのかを問う姿は、被災地への関わり方や支援のあり方を考え直すきっかけを与えてくれます。

『ナガサレール イエタテール』

ニコ・ニコルソン/著 太田出版 2013年

『フラガール3.11 つながる絆』

清水一利/著 講談社 2011年

ボランティア活動

『震災ジャンキー』

小林みちたか/著 草思社 2017年
この本は、被災地に通い続ける著者が、支援活動や被災地の様子をボランティアの目線で記したルポルタージュです。支援活動に対する被災者の反応が、千差万別であったことが記されており、被災地や被災者の様子がひしひしと伝わってきます。また、「自分が善だと思うことを押し付けていないと断言できるだろうか」といった、著者自身のボランティア活動に対する葛藤が生々しく描かれています。被災地の現状やボランティア活動について考えさせられる一冊です。

『奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」』

中原一歩/著 朝日新聞出版 2011年
災害のボランティア活動は、「困っている人を助けたい」という善意にスポットライトが当たりがちです。しかし、阪神大震災の際には「迷惑ボランティア」として社会問題になるなど、美談だけでは済まされない一面もありました。責任の所在や実態が掴みづらく、被災地にとって大きな負担になる場合もあるボランティアをどうやって組織・運営すれば良いのか、それを明らかにしようとしたのがこの本です。東日本大震災後、石巻市は被災地のうちでも突出した数のボランティアを受け入れて成果を上げた成功例と評されました。「奇跡のボランティア集団」と呼ばれた成功の要因を、当事者の行動と決断に着目して明らかにします。

『アルバムのチカラ 2011.07.04→2013.02.15』

藤本智士/文 浅田政志/写真 赤々舎 2015年
東北沿岸部を襲った津波は、家屋などと共に写真やアルバムも流していきました。被災した方々は、瓦礫の中から思い出の品を必死に探していたといいます。この本では、泥だらけになった写真を洗浄し、持ち主の元へ返す活動をする人々の様子を収めています。「被災地の写真」と聞くと、倒壊した家屋や津波の様子を写したものを想像し、暗く悲しいイメージを持つ人が多いのではないかと思います。しかし、この本に収められている写真は、見るものを温かく前向きな気持ちにさせてくれます。写真やアルバムが持つチカラに驚かされます。

『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』

太田康介/著 飛鳥新社 2011年
地震、津波、原発事故による避難勧告によって人々が姿を消した街に、取り残された動物たちがいました。彼らを助けようとレスキュー活動をするボランティアが目の当たりにしたのは、置き去りにされて助けを待ち続ける痛ましい姿でした。食べ物を探して彷徨うもの、じっと飼い主の帰りを待つもの、久々に会った人間に思わず甘えるもの、動かなくなった仲間にそっと寄り添うもの…。災害は人も動物も区別なく降りかかる、ということを突き付けてくるようです。

被災の記録

『16歳の語り部』

ポプラ社 2016年
この本は、小学校5年生の時に被災した雁部那由多さん、津田穂乃果さん、相澤朱音さんが震災の経験を語った言葉を記録したものです。彼らは当時、同じ小学校に通っていましたが、津波を自分の目で見た人もいれば、津波が来たことをラジオで知った人もおり、彼らが語る震災の経験はそれぞれ異なります。震災の経験や被災して感じたことなどが三者三様に語られています。小学校5年生という、何が起こったのかが理解できないほど子どもではないけれど、大人と言うにはまだ早い、難しい年頃で被災した彼らの言葉は、とてもリアルで重みがあります。

『帰宅難民なう。』

難民A/著 北辰堂出版 2011年
3月11日の夜、東京の街は帰宅困難者で溢れかえり、成田市でも、解放された市役所で多くの人が夜を明かしました。突然の災害に見舞われ動揺が落ち着かない中、携帯電話は繋がらない、情報がなかなか手に入らない、交通機関は停止、コンビニの食料は売り切れという状況で、心身ともに疲労をため込みながら不安な夜を過ごした人も少なくないでしょう。この本に描かれた個人の体験は、あの時経験した困惑、焦りや混乱を思い出させてくれます。もしもの時に何が必要か、どうするべきか、痛い経験を思い返して備えませんか。

『津波からの生還』

旬報社 2012年

『遺体 震災、津波の果てに』

石井光太/著 新潮社 2011年

『石巻市立湊小学校避難所』

藤川佳三/著 竹書房 2013年

災害に対する心構え

『人が死なない防災』

片田敏孝/著 集英社 2012年
東日本大震災は、死者・行方不明者が約20,000人と甚大な被害をもたらしました。岩手県釜石市も、1,000人を超える死者・行方不明者が出て大きな被害を受けました。しかし、釜石市では、小中学生の生存率が99.8%と非常に高かったと言います。長年の間、釜石市の防災教育に携わってきた著者が、なぜ小中学生たちは自分の命を守ることができたのかを説いています。この機会に、「防災」についての考え方を見直してみましょう。

『天災と国防』

寺田寅彦/著 講談社 2011年
戦前の物理学者であり名随筆家である寺田寅彦が綴った災害に関する論考・エッセイをまとめたものです。古い時代に書かれたために多少事情が異なるものの、寺田の記した災害に備える姿勢や考え方は現代でも頷けることばかりです。また「震災日記」には、様々な浮説(デマ)が言い交わされたり食料品の店先が空っぽになったりと、まさに東日本大震災で多くの人が体験したことと同じ様子が記録されており、どきりとさせられます。「だれの責任であるとか、ないとかいうあとの祭りのとがめ立てを開き直って子細らしくするよりももっともっとだいじなことは、今後いかにしてそういう災難を少なくするかを慎重に攻究することであろうと思われる」。これこそが防災の本質なのではないでしょうか。

『検証東日本大震災の流言・デマ』

荻上チキ/著 光文社 2011年
災害時に真偽不明の怪しい情報が、瞬く間に広まっていくのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。東日本大震災発生時にも、様々な流言やデマが広まりました。この本では、当時、広まった流言やデマを「注意喚起として広まる流言・デマ」「救援を促すための流言・デマ」「救援を誇張する流言・デマ」の3つに分類しながら、どのようにして流言やデマが生まれ、広まっていくのかを解説しています。流言やデマに惑わされたり、自分自身がこれらを広めたりしないようにするためには、どのようなことに気を付ければよいのかを学びませんか。

『犬連れ災害対策マニュアル 地震、豪雨…災害から愛犬を守るための備えと知識』

枻出版社 2020年
災害が起こった際に、ペットの命を守るための備えはできていますか。災害発生時、被災地に取り残されたペットの問題や、避難生活を送る中でペットを飼育することが困難になってしまうといった事例が、度々取り上げられます。この本では、ペットと共に被災した人々の体験談をはじめ、地震や台風などの災害が発生した際の飼い主の行動指針、平常時の備えなどを紹介しています。日頃から十分に備えておくことが、自分や家族の一員であるペットの命を守ることに繋がります。ペットと共に災害に遭った時のために、必要な知識を身に付け、いざと言う時に備えておきましょう。

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