人はなぜ旅をするのでしょうか。古くは、未開社会で生活を維持するための、採狩猟の旅や2つの定住地間を季節的に移動する旅が多くありました。日本では、集落定住の生活が一般化し都市の形成が行われたあとも、資源の調達や労働のために数多くの行商人・旅職人が国中を往来していました。明治期以後、交通事情の変化により旅行は日常化し、私的生活の面でも定着していきました。また、参詣に赴いては土産物を配るなどの習慣も、日本人の旅の形となってきました。
現代では、「旅行」というとレクリエーションのための旅を連想することが一般的です。異文化に触れ自分の価値観を更新する、初めて見る景色に心のシャッターを切る、普段は食べないようなものに挑戦してみるなど、人それぞれ旅の醍醐味があります。まだ知らない楽しみ方があるかもしれません。
今回の展示では、旅行に行った気分になれる本や旅をもっと好きになれる本を集めました。本を通じて空想旅行にでかけ、旅の魅力を再発見してみませんか。