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駅伝を楽しむ-箱根駅伝100年-

最終更新日 2020年01月07日

展示期間 : 01月から02月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
正月の恒例行事「箱根駅伝」の正式な名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」であり、この駅伝の誕生は、1920(大正9)年に遡ります。太平洋戦争によって1941(昭和16)年から1946(昭和21)年の間に中断した年が5回ありましたが、1947(昭和22)年からは毎年続き、今年で96回目を数えます。 発案者はマラソンの父と呼ばれる日本人初の五輪選手「金栗四三(かなくりしそう)」。「オリンピックで戦える日本の長距離ランナーを数多く育てるためには駅伝競走が最適だ」との思いから、オリンピック選手育成・強化のために創設されたと言われています。 箱根駅伝は、東京都の大手町から神奈川県の箱根町までを2日間かけて往復する、217.1㎞の大規模駅伝大会です。コースは10区間に分けられ、箱根の芦ノ湖をゴールとする5区までを往路、折り返して東京まで戻ってくる6区から10区を復路としています。 長い歴史を誇る箱根駅伝。1本の襷をつなぐため、限界まで走る選手達の真摯な思いは、多くの人の胸を打ち感動を与えてくれます。 今回の展示は、箱根駅伝の記憶に残る名場面の写真や心温まるエピソードの本、駅伝を支える人々や熱い情熱に彩られた選手達に関する本を紹介します。

展示関連情報

箱根駅伝を楽しむために!

『箱根駅伝強豪校の勝ち方』

碓井哲雄/著 文藝春秋 2018年
お正月の風物詩である「箱根駅伝」。駅伝当日、沿道の応援の数もマスコミを賑わせる場面も年々増えています。箱根駅伝の解説者を長年務める著者は、選手としても3年連続出場し、母校のコーチとしても優勝の基盤を作りました。選手、指導者、テレビ解説者として60年もの間箱根駅伝にかかわってきた「生き字引」が語る、箱根駅伝のすべてがわかる本です。

『箱根駅伝を歩く』

泉麻人/著 平凡社 2012年
著者は箱根駅伝の魅力にとりつかれたコラムニストの泉麻人氏です。1月2日の朝は、テレビの前で選手さながら号砲を待ちます。そんな著者は駅伝中継で、選手の背景に映し出される街並みを眺めながら、まるで正月の箱根路へと旅しているような感覚を愉しんでいるといいます。駅伝コース周辺の地理を紹介するため、自分の足で歩いて書いた東京-箱根間。周辺の名所や、めずらしい見所を紹介しています。

『箱根0区を駆ける者たち』

佐藤俊/著 幻冬舎 2018年
箱根駅伝を目指す選手のうち、7割以上の選手は一度も走れずに引退していくとのことです。東海大学で、箱根駅伝を走る16名の登録選手に選ばれなかった4年生は、その日を境に選手のサポート役に回ります。区間エントリーされた選手に対し、自分たちを「箱根0区」と呼び、付添い・給水・応援等、エントリーされた選手が安心して箱根を走れるよう、引退までの日々を送ります。裏方に回った選手達の、最後の箱根を追ったノンフィクションです。

『大学駅伝よもやま話』

出口庸介/著 ベースボール・マガジン社 2019年
三大大学駅伝と呼ばれる、箱根駅伝・出雲駅伝・全日本大学駅伝を中心に、大学駅伝の歴史や記録、さまざまなエピソードを交えながら大学駅伝にまつわる話をひもときます。著者が長年の観戦と取材で積み上げてきた独自のデータをもとに、大学駅伝の魅力を伝える1冊です。

『箱根駅伝コトバ学』

生島淳/著 ベースボール・マガジン社 2013年
小学生の時から箱根駅伝を30年以上追い続け、箱根駅伝のことになると書きたいことがどんどんあふれてくるという著者は、何を書くか決める前に頭に浮かんだ言葉をメモし駅伝にまつわる言葉を拾っているそうです。駅伝をとりまく「人」や「選手たちの生活・練習風景」「レース周辺のできごと」等、頭に思い浮かんだことを、記憶をたどりながら書いた40の「コトバ」をまとめています。

箱根駅伝にまつわるエピソードや歴史、各大会の記録や写真の本を集めました。

『大学駅伝記録事典』

三浦健/編 日外アソシエーツ 2015年
箱根駅伝のデータ収集家である編者が、年少の頃より箱根駅伝に興味を持ち新聞掲載の記録を収集し作成した1冊です。箱根駅伝(全91回)、出雲駅伝(全26回)、全日本大学駅伝(全46回)の大学三大駅伝の結果がわかります。大会ごとの全出場校・順位・タイム、その出場選手や成績を表にした「大会別記録」と「年度別大会記録」を収録しており、出場選手名から引ける索引も付いています。

『箱根駅伝95年』

別冊宝島編集部/編 宝島社 2015年
第1回大会から第91回大会までの箱根駅伝の足跡を、記録やエピソードと写真で振り返ります。95年間の歴代優勝校年表や時代を彩った名ランナー等の名勝負列伝も収録しています。また、駅伝ルート変遷として、バイパス完成や線路の高架化・交通渋滞等によりコース変更してきた歴史がわかります。

『平成箱根駅伝B級ニュース事件簿』

久保田龍雄/執筆 日刊スポーツ出版社 2014年
1989(昭和64)年から2014(平成26)年までの平成期の箱根駅伝を、珠玉のエピソードとともに各大会の回顧や記録・写真等、当時の日刊スポーツ紙面と一緒に紹介しています。「こんな話があったのか」「あの選手は今どうしているのか」等懐かしく思い出して、家族や友人等と駅伝談議に花を咲かせてみてはいかがでしょうか。

『大学駅伝100年のドラマ箱根駅伝全記録ブック』

ダイアプレス 2019年
箱根駅伝第1回大会から第94回大会までの全区間記録を始め、全日本大学選手権(第40回から50回)や出雲駅伝(第1回から30回)の記録を掲載しています。各回優勝大学のエピソード等も紹介されている他、金栗四三の「いだてん」秘話も収録する記録ブックです。当時の熱い戦いを感じられる1冊となっています。

『箱根駅伝100人の証言』

ベースボール・マガジン社 2013年
「早稲田大学対山梨学院大学」の異次元の走りで注目を集めた「最速対決」や、「順天堂大学対駒沢大学」のスクールカラーから呼ばれた「紫紺対決」等、選手や監督他100人の証言で箱根駅伝を振り返ります。各大学のチームを牽引した選手達が「今、思うこと」等が掲載されています。

駅伝を題材にした小説を集めました。

『風が強く吹いている』

三浦しをん/著 新潮社
寛政大学4年生の清瀬灰二は、同じ寮で暮らすメンバーに「10人の力を合わせて、スポーツで頂点を取る」とし、箱根駅伝出場を目指すと告げます。運動経験も個性もバラバラな10人が、箱根駅伝出場に向けて練習を始めます。個性豊かな登場人物たちが走ることに魅了されていく様子が、とても眩しく映ります。また、彼らの息遣いが聞こえてきそうな緊張感ある描写に、どんどん引き込まれていきます。

『襷を我が手に』

蓮見恭子/著 光文社 2017年
オリンピック出場を目指し実業団で活動していたマラソン選手の千吉良朱里は、浪華女子大学に新設された駅伝部の監督として招かれます。選手の指導経験が一切ない朱里は、戸惑いながらも選手たちを導いていきます。選手としてではなく、監督の目線で物語が進んでいくのが新鮮な作品です。一朝一夕とはいかないもどかしさや地道に努力を積み重ねていくことの大変さが伝わってきます。

『タスキメシ』

額賀澪/著 小学館 2015年
長距離選手として活躍していた高校3年生の眞家早馬は、今は怪我でリハビリをしています。そんなある時、料理研究部の井坂都と出会い、早馬は料理に夢中になっていきます。駅伝(タスキ)とご飯(メシ)を通して、早馬は自分と向き合い始めます。作中の「諦める勇気があったんだ。続ける恐怖なんてきっと乗り越えられる。」という言葉が印象的です。料理と陸上競技という異色の組合せですが、スポーツ小説としても、料理小説としても楽しむことができる作品です。

『あと少し、もう少し』

瀬尾まいこ/著 新潮社
元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼まれたら断れない性格のジロー、変わり者の渡部、陸上部2年生の俊介、陸上部部長の桝井は、県大会出場を目標に駅伝大会に挑みます。物語は、1区を走る設楽の目線、2区を走る大田の目線…と、まるで駅伝に参加しているかのように進行していきます。寄せ集めの6人が、県大会出場という一つの目標に向かって一本の襷を繋いでいく姿は、ハラハラしますがとても輝いて見えます。

『奔る男 小説金栗四三』

堂場瞬一/著 中央公論新社 2019年
箱根駅伝の創始者である金栗四三(かなくりしそう)は、オリンピックのストックホルム大会、アントワープ大会、パリ大会にマラソン選手として出場しました。長距離競技のみならず、日本スポーツ界の礎を築いた彼を突き動かした原動力は何だったのか。彼が挑んだ3度のオリンピックに焦点を当てながら「伝説のアスリート」の実像に迫ります。生涯を懸けて「奔る」ことをストイックに突き詰めていった金栗の姿が生き生きと描かれている1冊です。