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今こそ読みたい名著

最終更新日 2019年11月01日

展示期間 : 11月から12月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
 「名著」とは、なにをもってそう呼ぶのでしょうか。皆さんは、どんなイメージを思い浮かべますか。困ったときに頼れる本や肩ひじ張ったお堅い本、引き込まれるような魅力ある本など、「名著」という言葉から受ける印象は人によって違ってくるかもしれません。
今回の展示では「名著」としてお勧めしたい本を紹介します。世代を超えて長い間読み継がれてきたものや、世界に大きな影響を与えたもの、その分野の第一人者の著作や、一世を風靡したベストセラーなど、広い分野にわたる様々な本を集めました。
今まで読むチャンスがなかったという人も、この機会に手に取ってみませんか。

展示関連情報

哲学・思想

『考える練習をしよう』

マリリン・バーンズ/著 マーサ・ウェストン/絵 晶文社
考えるってどうやるの?「当たり前になっていることを、もう一度よく見てみる。」「壁にぶつかったときに、なにが問題なのかをはっきりさせる。」「べつの人間になって考えてみる。」など、ゲーム感覚で子どもと一緒に取り組める、頭のトレーニング問題を多数収録しています。難しく見える問題も、コツを掴めばスルリと解決できるかもしれません。現実の問題にとりかかる練習として、「考えること」を考えてみましょう。

『ソフィーの世界』

ヨースタイン・ゴルデル/著
「あなたはだれ?」と尋ねられたら何と答えますか。名前や所属、出身地や趣味でしょうか?では、もしあなたの名前が違うものだったら、生まれた場所が違ったら、あなたは「あなた」ではなくなってしまうのでしょうか…。考えれば考えるほど不思議でつかみどころのない「自分」や「世界」という存在。多くの哲学者たちは、言葉や概念を使ってそれらに迫ろうとしました。難解そうなイメージのある哲学の世界をやさしい語り口で案内する、ミステリー仕立ての小説です。

『道をひらく』

松下幸之助/著 PHP研究所
松下電器の創業者が日々の気づきを綴った随想です。刊行されてから50年余、広い意味でのビジネス書で最も売れた本です。身も心も豊かな繁栄の社会を実現したいと願う松下の思いが込められています。わが国を代表する企業の経営者でありながら、純粋で素直なもののとらえ方に深い共感を覚えます。数年をおいて再読するとまた違った印象を受ける名著です。

地理・歴史

『日本百名山』

深田久弥/著
30年ほど前から続く登山人気は、この本がきっかけになったと言ってよいでしょう。北は利尻島の利尻岳から南は屋久島の宮ノ浦岳まで、深田が登頂した山の中から100座の名山を紹介しています。山の魅力・山名の由来や歴史が、著者の短い登山日記を交えて格調高い文章で書かれています。その山に登ったことがなくても、眼前に山頂からの眺望が浮かぶような鮮烈な印象を放つ本書は、読み物としても白眉のものです。

『きけわだつみのこえ』

日本戦没学生記念会/編
「散れよ散れよ桜の花よ、俺が散るのにお前だけ咲くとは一体どういうわけだ」。戦没学生の手記をまとめたもので、刻々と苦しくなる生活や厳しい戦況に追いつめられた様子、そんな中での心情が綴られています。体調を壊しても十分な治療を受けられなかったり、虐げられる人々を目の当たりにしたり、特攻や刑死までの残された日々に苦悩したり…。極限の状況にあって、両親や家族のことをやさしく案じ、理不尽な状況に疑問や怒りを抱いて苦しみ、日本の行く末に思いをはせる姿からは、深い悲しみ、言葉では表現しきれない戦争のむごたらしさを感じずにはいられません。

社会科学

『失敗の本質』

戸部良一 ほか/著 ダイヤモンド社 1984年
この本では、旧日本軍の敗因について分析しています。ここで挙げられている組織構造や精神性が抱えた問題は、「結果よりも過程の方が重視される」、「正しい情報が共有されない」、「目的が曖昧なまま雰囲気に流されて物事が決められてしまう」など、現代の日本企業や組織の体質にも通ずるものばかりです。あなたの身の回りにも心当たりがあるのではないでしょうか。

『お金の教養』

泉正人/著 大和書房 2008年
社会で生きていく上で必要な3つの教育があります。それは学校で学ぶ「学問教育」、働く上で必要な「職業教育」、そして知らないと困る「金銭教育」です。お金についての教養はなかなか学ぶ機会がなく、いざまとまったお金が必要なときに、どのように対応したら良いか判断に迷います。本書では7つのポイントに沿って、お金の基本的な考え方を学ぶことができます。なぜかお金が貯まらない人に、おすすめの入門書です。

自然科学

『科学と科学者のはなし』

寺田寅彦/著 岩波書店 2000年
明治生まれの物理学者であり多くの後進を育てた寺田寅彦は、一方で、俳句や随筆などに造詣が深く、科学と文学の双方に通じた人物でした。彼の随筆の中には、普段の生活の中の何気ない事柄に目をとめ、じっくりと観察し、考察して理由や法則性を見出す、というものが数多くあります。豊かな表現で綴られる文面からは、対象を細やかに見つめる様子と、著者の温かみのある人柄を感じ取ることが出来ます。

『不都合な真実』

アル・ゴア/著
あの暴風雨も洪水も、地球温暖化の影響だったのか?環境問題を取り上げたドキュメンタリー映画の書籍版です。インパクトのある写真や図が多く盛り込まれ、元アメリカ副大統領アル・ゴアの「自分たちの問題として考えてほしい」というメッセージが鮮烈に伝わってきます。今からでは手遅れ、自分一人が気を付けても…と、つい目を逸らしがちな現実に向き合うきっかけとなる一冊です。

技術・芸術

『冒険手帳』

谷口尚規/著 石川球太/画 光文社 2005年
車や電車が道を行き来し、移動も楽々。電化製品という名の魔法の箱のスイッチを押せば、手軽に用事が済む時代。しかしそれらが突然使えなくなくなったとき、自分で考え、行動できるでしょうか。本書では、頭を使って工夫する冒険の心を説いています。初版1972(昭和47)年当時の内容をほぼそのまま掲載していますが、長時間歩くコツや、暖の取り方など、現在の緊急時に使える知識も収録しています。

『大和古寺風物誌』

亀井勝一郎/著
この本の初版は1943(昭和18)年、昭和を代表する文芸評論家が、春に秋に法隆寺や薬師寺など古き良き奈良を歩いた紀行文です。世界遺産に登録され観光客が増えた今では想像できないが、田園に民家が点在する大和路ののどかな情景と寺院や仏像への深い愛情がうかがえます。斑鳩で百済観音の崇高な美に感銘を受けた亀井が、飛鳥・白鳳・天平の3つの時代の仏教文化の跡を訪ねる随想集の好著です。

文学・語学

『詭弁論理学』

野崎昭弘/著 中央公論新社
議論の場で相手にズバっと言われてしまうと言葉に詰まって反論できなくなってしまう、ということはありませんか。後から考えると理屈が通っていないことに気づいたり、「あの時ああ言えば良かった」と後悔したり、悔しいものですが、議論に勝つには必ずしも理性的である必要はなく、相手の話に耳を貸さずに言いたいことだけ叫んだ人の主張が押し通ってしまう事もあるのが現実です。理屈抜きに主張を押し通す「強弁」や、もっともらしい言葉で相手をいいくるめる「詭弁」など、人を言い負かそうとする手の内を知ると、議論に強くはなれずとも、それを楽しむ余裕を持てるようになるかもしれません。

『陰翳礼讃』

谷崎潤一郎/著
キャンドルナイトと称して、夏至の夜に電気を消しロウソクを灯してゆったりとした時間を過ごそうという試みが広がっています。本書は、文豪谷崎によって陰翳で生かされる日本の美について1935(昭和10)年に書かれました。西欧文化を取り入れ科学技術が発達した今日でも、日本人の根源的な美意識は変わらないであろうことを、研ぎ澄まされた文章から読み取ることができます。灯りを消して暗がりのなかに身を置き、陰翳が醸し出す美を五感で感じてみてはいかがでしょう。

『仕事は楽しいかね?』

デイル・ドーテン/著 きこ書房
成功にむけた考え方を提示したビジネス書です。物語仕立ての内容で、主人公のサラリーマンと空港で出会った不思議な老人の会話形式で進められます。「仕事は楽しいかね?」という老人の質問にギクリとする主人公ですが、自分の概念を覆すアドバイスに徐々に引き込まれていきます。成功と失敗の具体例が挙げられていて、主人公と共に自身の仕事を振り返ることができます。果たして「明日は今日と違う自分になる」ことはできるのでしょうか?

『ことばと文化』

鈴木孝夫/著 岩波書店 1978年
ことばに関心があって、その仕組みや秘密を知りたいと考える読者に向けた入門書です。初版から半世紀近く経過した今でも、色あせることがないロングセラーです。人や物をあらわす身近な用語を例にあげて、外国語と比べることで日本語や日本文化の特徴を浮き彫りにしています。さらに言語が文化や社会によって規制されることを立証して、言葉の持つ性質を顕わにしています。