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働く‐お仕事小説を読む!!‐

最終更新日 2018年04月30日
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展示期間 : 03月から04月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
多くの方にとって、春は新生活スタートの季節。社会人デビューの方や、転職その他で新しい仕事を始める方もいるでしょう。
念願の職に就き期待にあふれている方、あるいは未知の仕事に一抹の不安を抱いている方、その職業を題材にした“お仕事小説”でシミュレーション(疑似体験)してみるのはいかがでしょうか。 また、他人の人生を生きてみることができるのが小説の醍醐味の1つとするなら、全く別の職業を体験できるというのはまさに小説ならではでしょう。例えば近年芥川賞で話題になった村田沙耶香さんの『コンビニ人間』は、コンビニという職場を舞台にして読者に新鮮な驚きを与えました。このように色々な職業を体験して、是非新しい発見をしてみて下さい。

展示関連情報

お仕事小説の紹介

別れと出会いの季節です。希望と夢と不安を抱えて、新しい場所へ向かう方も多いのではないでしょうか。ここに取り上げたお話が新しい生活への活力となりますように。

ファミリーレストラン店員

『天使はここに』

朝比奈あすか/著 朝日新聞社 2015年
ファミリーレストランを舞台にしたお仕事小説です。契約社員として働く真由子。プライベートを犠牲にしてまで働いても報われないことが多い職場だけれど、彼女の仕事に対する姿勢は彼女の生き方そのものです。作品の中の「やっていることとその報いがちゃんと比例した社会でないと」という言葉が印象に残ります。

会社事務員

『とにかくうちに帰ります』

津村記久子/著 新潮社 2012年
表題作を含め6篇の短編集です。ひとつひとつの話は短いですが、なんかいそうだなと思われる人や事柄が表現豊かに描かれています。

反訳(テープ起こし)

『知らない記憶(こえ)を聴かせてあげる。』

石井颯良/著 KADOKAWA 2017年
「忘れられない声はないですか?想いをテープに起こします」というチラシからテープ起しを依頼した丹羽陽向。依頼先の反訳家音谷久呼は口も態度も悪く、彼の依頼を受けられないというのです。吹き込まれたテープに込められた本当の想いとは?陽向がテープを起こすことで見えてきた想いを探ります。

特殊清掃会社

『モップ・ガール』

加藤実秋/著 小学館 2007年
高給優遇・交通費全額支給・年齢性別学歴不問の求人広告に誘われ応募した長谷川桃子。そこは、事件事故の後始末専門の掃除会社でした。働く従業員たちも変人ばかり。特殊掃除会社を舞台にしたサスペンスです。

ローティーンファッション雑誌編集

『プリティが多すぎる』

大崎梢/著 文藝春秋 2012年
週刊誌編集部から4月の人事異動でローティーン向けファッション雑誌へと配属になった新見佳孝。フリルもハートもくまさんも知らない、分からない彼が、先輩編集者やカメラマン、スタイリスト、そして10代の少女モデルのプロ意識に影響を受け様々な失敗をしながら奮闘する成長物語です。

化粧品販売員

『メロディ・フェア』

宮下奈都/著 ポプラ社 2011年
大学を卒業後、地元に戻り化粧品の販売員として働いている主人公。先輩販売員のようにお客様は思うように来ず、家族とも少なからず溝があり、それでも主人公は一所懸命で、思わず「がんばれ」と応援したくなる本です。

消防士

『消防女子 女性消防士・高柳蘭の誕生』

佐藤青南/著 宝島社 2012年
亡き父と同じ職業についた高柳蘭。消防士というどちらかというと男社会に身をおいた彼女の葛藤と成長の物語です。ミステリーの要素もあり、最後には仲間意識も芽生えていきます。続編『灰と話す男』もあります。

保育士

『戦うハニー』

新野剛志/著 角川書店 2016年
男性保育士のお仕事小説。主人公は公立の保育園志望でしたが、採用に至らなかったため、私立みつばち園で働き始めます。男性であるため女児のトイレや着替えに関しての親からの拒絶反応や保護者対応の難しさ、周辺住民からのクレームなどに悩まされます。少なからず社会人経験があったと自負していた主人公が仕事を経験する上で社会経験より人生経験の足りなさを実感し成長する物語です。

食品会社

『株式会社ネバーラ北関東支社』

瀧羽麻子/著 メディアファクトリー 2008年
東京での仕事・失恋に疲れ、転職をした弥生。そこは、納豆を扱う株式会社ネバーラ北関東支社でした。社名のネバーラの由来は、納豆のネバネバからと思いきやネバーランドの略から付けられたのです。登場人物は心優しく、気軽に読めます。イラストもかわいらしく和みます。

自動車会社

『安全靴とワルツ』

森深紅/著 角川春樹事務所 2011年
高専卒業後、自動車生産管理部門で働く女性の物語です。同期が病気になり、代わりに本社出向となります。社内恋愛・人間関係・仕事の問題など多くの困難が起こりますが、立ち向かっていく物語です。

防犯コンサルタント

『硝子のハンマー』

貴志祐介/著 角川書店 2004年
今作の探偵役である榎本径は、防犯コンサルタントを名乗る鍵や防犯装置のプロフェッショナル。セキュリティシステムを知り尽くした榎本の視点が斬新です。弁護士・青砥純子とコンビでの活躍はシリーズ化され、3作目のタイトル『鍵のかかった部屋』として2012(平成24)年にドラマ化もされました。

辞書編纂者

『舟を編む』

三浦しをん/著 光文社 2011年
知る人ぞ知る仕事だった辞書編纂の奥深さを世に知らしめたと言っても過言ではない作品。言葉の持つ世界の広がりを感じさせ、また、主人公・馬締(まじめ)の恋物語など群像劇でも読ませます。映画化もアニメ化もされました。

校閲者

『校閲ガール』

宮木あや子/著 KADOKAWA 2014年
同じ編集系でもこちらは校閲者。文章を確認して誤りを指摘する仕事、と大まかには知っていても具体的なところは知らない人が多いのではないでしょうか。2016(平成28)年にドラマ化された際の題「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」が表すとおり、徹底したこだわりと調査で言葉の誤用を取り除き文章の意味を通す、まさしく出版文化の屋台骨を支える“地味ながらもスゴイ”重要な仕事なのです。

オークショニア

『アノニム』

原田マハ/著 KADOKAWA 2017年
2017(平成29)年の文学講座講師原田マハ氏は美術館のキュレーター(展覧会の企画や美術の研究などに関わる職)の経験者でもあります。そのため、美術品オークションを舞台に展開する今作で、オークショニア(オークションを取り仕切る人)の舞台裏が生き生きと描かれ、物語に華やかさと説得力を加えています。

声優

『声のお仕事』

川端裕人/著 文藝春秋 2016年
20代後半にしてまだ代表作がなく、バイトを続けながらレギュラー獲得を目指す主人公・結城勇樹。あるメジャーな作品の“犬”役を勝ち取った事から、声優としての道が開けていきます。数本しかないマイクをどうやって使っていいのか、など声優が仕事上どういったことに悩んだり気を遣っていたりするのかを臨場感を持って描いています。若い方にも読みやすく、また、アニメに詳しい人ならモデルになっている作品の元ネタ当ての楽しみもあるでしょう。

アニメ監督・プロデューサー

『ハケンアニメ!』

辻村深月/著 マガジンハウス 2014年
こちらは同じアニメでも、監督やプロデューサーなど、企画・製作する側の仕事を描いた小説です。スポンサー獲得や地域おこし、進行管理など、アニメ完成までの裏の苦労を描くと共に、アニメにかかわる人々の、いいものを作りたいという情熱が伝わってくる作品です。文庫版には、現役アニメ監督・新房昭之氏との対談も載っています。

検事

『正義のセ』

阿川佐和子/著 角川書店 2013年
小さいときから正義感が強かった凛々子は、犯人の取り調べをしたらうまいだろうなあと先生に言われたひと言から検事を目指すことに。エッセイや対談で人気の阿川氏が、初取り調べの緊張など新人女性検事の奮闘ぶりを描きます。シリーズ化され、2018(平成30)年3月現在4冊目まで出ています。

国税徴収官

『トッカン』

高殿円/著 早川書房 2010年
「トッカン」とは、特別国税徴収官のこと。耳慣れない職名ですが、警察さえしのぐ強権をもって、特に悪質な滞納者から取り立てを行う仕事なのです。くせ者の先輩トッカンと組むはめになった新人徴収官ぐー子こと鈴宮深樹は、嫌われ者の徴収の仕事に落ち込んだり疑問を持ったりしながらも、やがて仕事の真の意義に目覚めていきます。お金の問題を通して人間の生き方が表れる、軽妙ながらぐっとくる群像劇です。