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成宗電車

最終更新日 2016年07月18日

展示期間 : 03月から06月

展示場所 : 本館2階展示


本展示は、当館の所蔵資料「成宗電気軌道線路実測平面図 第一号図」をメインにミニ展示として開催しました。写真パネル・資料パネルは企画展「成田山へのお参り電車‐成宗電車の軌跡‐」の一部を成田山霊光館から提供を受け紹介しています。
「成宗電車」は、明治・大正・昭和と3つの時代に渡り成田の町中を駆け抜け、戦争という大きな波に飲み込まれ姿を消しました。計画・開業にあたっては、容易に地元の承認を得られませんでしたが、その営みは、人々の暮らしと密接に関わり、こよなく愛されてきました。廃止から70余年経過しましたが、2014(平成26)年にレンガ造りのトンネルが歴史的土木構造物として土木学会の選奨土木遺産に認定されました。
展示はパネル中心となりますが、郷土の歴史資料として大変貴重な史料ですので、当時に思いを馳せてぜひご覧ください。
本展示に際しましては、白土貞夫氏・成田山霊光館より貴重な史料の提供・ご協力をいただきました。ここに厚くお礼申し上げます。
また、お気付きの点や新しい情報がございましたら、図書館までお知らせくださいますようお願いいたします。
展示全体図
「成宗電車」展示の様子
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成宗電車の歩み

「成宗電気軌道」は、1908(明治41)年に「成宗電気軌道株式会社」が設立、1910(明治43)年12月11日成田山門前(のちに不動尊)‐成田駅前間が開業し、千葉県最初の電車が誕生しました。同時に、自家発電のため成田町字松原(東町)に火力発電所を設けて電灯供給事業も開始、成田町一帯に電灯が点りました。翌年1月20日には宗吾‐成田駅前間も開通しました。全線複線で軌道間1372mm、電圧直流550V、電車は15両が在籍しました。
1916(大正5)年「成田電気軌道株式会社」に社名変更。1918(大正7)年には、社名を「成田電灯株式会社」に変更し、電車事業廃止申請をしましたが、政府から電車営業廃止の許可は得られませんでした。電車9両を売却、宗吾‐成田駅前間を単線に改めました。
1927(昭和2)年千葉県営鉄道多古線を入手して、社名を「成田鉄道株式会社(現・千葉交通株式会社)」に改称しました。第二次世界大戦末期に不要不急線の遊覧電車として政府から撤去を命令され、1944(昭和19)年12月11日廃止となりました。