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あたたかい福祉 よりそう介護

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 03月から04月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
「福祉」を考えるとき皆さんはまず始めに何が必要だと思い浮かべるでしょうか? 私たちが健康でよりよい生活を確保し生活していくためには福祉サービスは欠かすことができません。 「福祉」には、高齢者福祉・児童福祉・障がい者福祉・地域福祉・介護福祉といった様々なものがあり各自治体で行政サービスを行っています。また行政に限らず、各種団体や地域ボランティア等も重要な役割を担っています。 その中で今回は特に「介護福祉サービス」に視点を置いて、そのサービスに関わる法令や制度、手続きの仕方、また介護に携わる人々の現状や問題点、展望についての本を収集しました。 少子高齢化時代に突入し年々介護需要が高まる中、男女問わず幅広い年齢層の人たちが理想と現実の中で苦悩の連続の介護をしながらも、日々笑顔で奮闘されています。  
誰もに起こりうる介護の問題、介護が必要になったときどのような福祉サービスが受けられるのか、その時かけがえのない大切な家族のために何ができるのか。 私たちが楽しく生き生きと、自立した生活を営むための一助となる本をご紹介します。

展示関連情報

現代社会で考える介護福祉

少子高齢化が進む中でさらに日本の福祉全体を見直すことが必要となっています。介護福祉をさまざまな角度から捉えながらこれからの福祉を考える本を収集しました。

『新社会福祉論』

川池智子/編著 学文社 2012年
日本の社会福祉のしくみや今日までのあゆみ、他国の社会保障制度について学ぶことができます。社会福祉、社会保障の変遷についてわかりやすい年表形式になっています。

『介護クライシス』

西久保浩二/著 旬報社 2015年
日本企業を支える従業員の老親介護、複雑化する家庭環境の中での、企業の福利厚生や人事労務管理を企業側からの視点で考えます。

『介護問題の社会学』

春日キスヨ/著 岩波書店 2011年
介護保険制度が運用されてからの日本が抱える介護問題を、社会学的に考える1冊です。年々家族形態が複雑になってきていますが、その背景をわかりやすく解説しています。

『超高齢社会の介護制度』

加藤久和/編著 中央経済社 2016年
人生の最後まで、自分らしく生き生きとした生活を続けていくための、医療や介護のあり方を考えます。ドイツなど他国の介護サービス内容を比較した基礎的情報も掲載しており、日本の介護制度をさまざまな角度から捉えています。

介護保険制度の概要 サービスの内容と手続き

介護保険制度とは介護を要する状態となっても、出来る限り自立した日常生活を営めるよう、介護を必要とする人を社会全体で支えあう仕組みです。私たちが効率よく質の高いサービスを利用するための必読書を取り上げました。

『高齢者に対する支援と介護保険制度』

笠原幸子/著 ミネルヴァ書房 2014年
高齢者に対する福祉サービスを総合的に解説しています。老人福祉法とともに介護保険法の変遷についても学ぶことができます。

『現役ケアマネが教える最新介護保険利用のしかた』

コンデックス情報研究所/編著 成美堂出版 2015年
介護支援相談員の立場から見た介護サービス活用術の本です。具体的なケアプラン例も記載されており、利用者により近い視点で書かれています。トラブル解決のための制度や相談方法も記載されています。

『徹底解説!介護保険制度のすべて』

金野充博/著 日本法令 2015年
在宅介護サービスの種類を利用状況とともに解説しています。利用対象疾患や介護支援専門員の状況、介護報酬の算定方法などがわかりやすく解説されており、サービスを受ける際の一助となる1冊です。

『不安解消!親の入院・介護のしくみと手続きがすぐわかる本』

城島明彦/著 秀和システム 2015年
地域包括支援センターを相談窓口として介護保険利用申請の審査を受ける際のチェックポイントを紹介しています。医療保険と介護保険の違いやサービスの上手な使い分け等、基礎から応用までの幅広い運用を知ることができます。

介護施設等の現状

利用者が介護サービスや介護を受ける場所等を上手に選択するための手助けとなる本です。

『介護男子スタディーズ』

介護男子スタディーズプロジェクト/企画 介護男子スタディーズプロジェクト 2015年
老人ホームや介護施設等に携わる男性職員の、写真やエピソードを紹介しています。これまでの「介護現場」のイメージを変えるような写真も多く、介護従事する男性職員をいきいきと快活に紹介しています。

『誰も気づかなかった介護の真実』

森田記念会・介護老人保健施設プロスペクトガーデンひたちなか/編 講談社ビーシー 2012年
「介護老人保健施設プロスペクトガーデンひたちなか」で導入された、利用者擬似体験プログラムを紹介しています。施設で働く職員と利用者が、同じ視点で生活し経験した率直な感想から、介護サービスの今後の課題がみえてきます。

『老人ホームの暮らし365日』

菅野国春/著 展望社 2013年
ホームの住人である著者が実生活をありのままに書いているドキュメンタリーになっています。利用者から見た施設職員の姿や行事など、ホーム生活の詳細な部分がわかってきます。

『家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座』

濱田孝一/著 花伝社 2015年
高齢者住宅と高齢者施設の違いや施設見学の際のチェックポイントを分かりやすく紹介しています。サービスや価格について比較検討するポイントや、契約の際の注意点などがわかります。入居選びを失敗しないための1冊です。

『すぐに役立つ後悔しない老人ホーム選びと介護施設 トラブル解決マニュアル』

若林美佳/監修 三修社 2011年
近年、高齢者住宅や老人ホーム入居のトラブルは増加しています。契約書の読み方や重要書類のサンプルなど、無用なトラブルをさけるための必携書です。クーリングオフのしかたや入居後の問題点も含めた情報や知識も集約されています。

家族介護 苦労の中の笑顔

家族とともに考える介護問題。介護するときや介護を受けるとき、希望や絶望の間で揺れ動く家族の姿を描いている本を紹介します。

『ペコロスの母に会いに行く』

岡野雄一/著 西日本新聞社 2012年
認知症の母の介護体験を可笑しくも淡々と描いている4コマ漫画になっています。『ペコロスの母の玉手箱』、『ペコロスの母の贈り物』もシリーズで連載しています。息子の優しく切ない心情が伝わってきます。

『ふまじめ介護』

田辺鶴瑛/著 主婦と生活社 2008年
実母、義母、義父の3人の介護をしてきた女性講談師が、無理をしない楽しい介護の極意について漫画を交え紹介しています。介護の実態を本音で語り、役立つ介護テクニックなども掲載しています。

『小学生にもできる 実践カイテキ介護』

長瀬教子/著 自由国民社 2011年
介護施設を訪れた小学生が介護体験をする話を漫画で描いています。介護職に興味をもつ次世代の子どもたちに是非読んでほしい1冊です。親子で読みながら介護について考える本です。

『オトコの介護を生きるあなたへ』

男性介護者と支援者の全国ネットワーク/編著 クリエイツかもがわ 2010年
女性介護者とともに男性介護者が増えてきた中、男性ならではのとまどいや苦労も多く取り上げられています。介護で孤立しないためのネットワークや支援機関も紹介されており、男性介護者のための本です。

『妻たちの介護』

中村和仁/著 新泉社 2012年
介護に悩む女性に向けて送るメッセージが綴られています。在宅介護体験談とそれぞれのケースに合わせた「ひとくちアドバイス」が役立つ本です。

『鳥居りんこの親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』

鳥居りんこ/著 ダイヤモンド・ビッグ社 2015年
1人暮らしだった実母の介護に直面した著者が、介護制度を学びながらケアマネージャーと一緒に奮闘する介護体験記です。知って得する介護の裏ワザ等もあり、介護初心者にもわかりやすく親しみのもてる本です。

介護小説と闘病記

介護に携わる家族や施設職員をテーマにした小説や手記の本を集めました。

『ふところ「1リットルの涙」母子物語』

木藤潮香/著 ソニー・マガジンズ 2009年
2005(平成17)年にフジテレビ系でドラマ化された『1リットルの涙』。長女に突然発病した難病と向き合う家族、母親の介護手記です。娘の前向きな姿を自身の手本とし、母親のこれまで生きてきた道を振り返ります。

『認知の母にキッスされ』

ねじめ正一/著 中央公論新社 2014年
母の進行性の認知症による、幻覚・幻聴・妄想に誠実に応えようとする息子の姿が胸を打つ描写の本です。母の口調がかわいらしくも切なく描かれており、親子の愛情の深さを感じさせます。

『最期の贈り物 介護小説』

中島久美子/著 学陽書房 2001年
認知症高齢者にとって、またその家族にとっての理想的な生活場所とはどこなのかを考えます。幸せな介護生活を探し求める小説の本です。

『セカンドウインド』

フィリップ・ポッツォ・ディ・ボルゴ/著 アチーブメント出版 2012年
2012(平成24)年9月公開映画『最強のふたり』の原作本で、フランスやドイツなどでもベストセラーとなりました。車椅子の大富豪とスラム街出身の若者が出会い、ともに人生を歩き始めます。人間の尊厳、介護とは何かを考えさせられる本です。

『還れぬ家』

佐伯一麦/著 新潮社 2013年
年老いた父の認知症のために、介護をすることになる家族の様子が繊細に描かれています。特に家族介護の問題を抱える方々には共感できる本ではないでしょうか。家族のあり方を考える1冊です。

『ロスト・ケア』

葉真中顕/著 光文社 2013年
第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作です。少子高齢化社会のリアルな介護の世界に引き込まれる、人生や価値観、社会とのかかわりを描いた社会派ミステリーです。

『長いお別れ』

中島京子/著 文芸春秋 2015年
10年ほど前からアルツハイマー病を発症した元校長と、ふり回されつつも辛抱強く見守る妻、娘たちやその家族の日常を温かい文章で描きます。読後にタイトルがとても響いてきます。

『娘になった妻、のぶ代へ』

砂川啓介/著 双葉社 2015年
初代ドラえもんの声で有名な大山のぶ代さんが認知症を患っていると、夫の砂川啓介さんが公表した時は、大きなニュースとなり世間に公表されました。介護の苦労や家族の心境について語られています。

『ベトナムの風に吹かれて』

小松みゆき/著 KADOKAWA 2015年
ベトナムのハノイで日本語教師として働く著者が、認知症が進んだ母を日本から呼び寄せて同居生活を始めました。その日常がユーモアを交えて綴られています。元は『越後のBaちゃんベトナムへ行く』という題で刊行され、2015(平成27)年に松阪慶子さん主演で映画化もされました。