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戦後70年 ‐日本のあゆみ‐

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 07月から08月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
2015(平成27)年は第二次世界大戦が終わってから70年の節目の年です。
敗戦国である日本は、占領期を経て独立した後急速に復興、高度経済成長期に平和と豊かさを享受し、やがてバブル崩壊を経て現在に至ります。
それぞれの時代を顧みると、いま社会問題となっている事柄の萌芽を見つけることができ、歴史は繋がっていることを改めて思い知らされます。
今回の展示では戦後の70年間を4つの年代に分けて、今の日本がどのように形作られて来たのかを振り返ります。

展示関連情報

1945(昭和20)年‐1952(昭和27)年

1945(昭和20)年8月15日の玉音放送から日本の戦後は始まりました。連合国軍の占領下で、日本国憲法の制定、学校教育法、農地改革、財閥解体といった改革が行われました。そして1950(昭和25)年の朝鮮戦争が転機となってアメリカとの対日講和が進み、1951(昭和26)年に調印のサンフランシスコ平和条約によって日本の占領政策は終わりを迎えました。

『昭和時代 敗戦・占領・独立』

読売新聞昭和時代プロジェクト/著 中央公論新社 2015年
終戦工作、GHQ、憲法制定、講和・安保条約・・・終戦から占領期までの主なキーワードを、用語の注釈や学識者などの証言を交えてわかりやすく検証しています。

『占領期のキーワード100』

谷川建司/編著 青弓社 2011年
占領期に出現した新語や流行語、外来語を解説した事典です。「報道写真」「ノルマ」「ロードショウ」といった馴染みのある言葉から「斜陽族」「カムカム英語」「タケノコ生活」といった現在は使われていない言葉まで、図や用例を交えて紹介しています。

『GHQの見たニッポン』

太平洋戦争研究会/編著 世界文化社 2007年
GHQ専属の写真部が撮影し、現在も米国内に保管されている膨大な写真の一部を紹介。公式行事だけでなく、一般市民が立ち入ることのできない場所などを含む興味深い記録です。

『日本占領史 1945‐1952』

福永文夫/著 中央公論新社 2014年
日本が連合国に占領されていた7年間を、占領した側(ワシントン)と占領された側(日本本土、沖縄)の3つの観点で書いています。日本国憲法の制定やサンフランシスコ講和会議といった占領期の重要なトピックを詳細に解説しており、占領期の日本史の流れをこの1冊で知ることができます。

『「東京裁判」を読む』

半藤一利ほか/著 日本経済新聞出版社 2009年
法務省で30年にわたって死蔵され、2000年代に入って一般公開が開始された東京裁判の資料。300ページの書籍約200冊に相当する膨大な量の資料を半藤一利、保坂正康、井上亮の3氏が読み込み、その成果をまとめたのが本書です。文書の解説だけでなく、各文書の読了後に行われた3氏の鼎談も収録されています。

1953(昭和28)年‐1969(昭和44)年

1960年代には池田勇人内閣による「所得倍増計画」により、日本は国民総生産第2位の経済大国へと成長しました。テレビ放送開始(1953(昭和28)年)、東京タワー完成(1958(昭和33)年)、東京オリンピック開催(1964(昭和39)年)と、この時代の日本は高度成長と復興による繁栄を謳歌しました。

『1964年の東京オリンピック』

石井正己/編 河出書房新社 2014年
1964(昭和39)年の東京オリンピック開催時には、数多くの著名な作家が新聞や雑誌に観戦記を寄稿しました。「筆のオリンピック」と言われたほどの作品群は、2020(平成32)年に再び訪れる「東京オリンピック」を迎えるにあたって貴重な参考資料となることでしょう。

『誰も「戦後」を覚えていない 昭和30年代篇』

鴨下信一/著 文藝春秋 2008年
昭和30年代の世相を、政治だけでなく音楽、テレビ、映画など硬軟とりまぜて振り返ります。

『検証・法治国家崩壊』

吉田敏浩ほか/著 創元社 2014年
集団的自衛権の行使容認の論拠とされる「砂川事件」をめぐる判決とは何だったのでしょう。1959(昭和34)年12月最高裁大法廷で起きた「戦後最大の事件」をあきらかにします。

『日米同盟はいかに作られたか』

吉次公介/著 講談社 2011年
日米安全保障条約を中核とし、培われてきた日米安保体制。資金協力、軍備増強といった「負担」の分担をアメリカが求め、日本がそれを受け入れる。現在も続くこの構図はどのように形作られたのでしょうか。筆者は池田政権期がその重要な岐路にあったとし、外交文書などからそのプロセスを明らかにしています。日米同盟の形成過程を知ることで、今後の日米同盟のあり方についても考えさせられる1冊です。

『アフター・ザ・レッド』

朝山実/著 角川書店 2012年
連合赤軍のメンバーとして活動していた4人へのインタビューをまとめた本です。インタビューでは活動時のことだけでなく、家族構成や幼少時、活動後の人生についても触れられています。活動に携わった人達それぞれの人生や考えを知ることで、連合赤軍事件を違った視点で捉えることができます。

『1968上下』

小熊英二/著 新躍社 2009年
1960年代に起きた全共闘運動。その運動を担った当時の若者は何故あのような運動を起こしたのか。あの反乱は一体何だったのか。筆者は当時のビラや学生の手記、新聞の報道記事などを読み込み、当時の若者を突き動かしていたもの、反乱の意味と教訓を明らかにしようとしています。上下巻合わせて2000頁を超える大著です。

1970(昭和45)年‐1989(平成1)年

安定した経済成長によってこの時代の日本は大量生産、大量消費の時代を迎えました。大衆の生活水準が上昇する一方で、イタイイタイ病、四日市ぜんそくなどの公害も社会問題となりました。1980年代後半にはバブル景気と呼ばれる未曾有の好景気となりました。

『国交正常化交渉北京の五日間』

鬼頭春樹/著 NHK出版 2012年
1972(昭和47)年9月に行われた日中国交正常化交渉。この歴史的とも言える北京の5日間を、最新の研究成果や当事者の証言を基に描きます。

『ニッポン・ポップス・クロニクル1969‐1989』

牧村憲一/著 スペースシャワーブックス 2013年
シュガーベイブ、竹内まりや、加藤和彦らをプロデュースしてきた著者が、1969(昭和44)年から1989(平成1)年までの日本のポップス史を1年ごとの時系列で語ります。

『未完の敗者田中角栄』

佐高信/著 光文社 2014年
昭和を代表する政治家である田中角栄。金脈政治に対する批判の一方で、庶民派で人情味のある魅力的な人物として語られるなど、両極端な評価を持ち合わせています。この本では橋本龍太郎、福田赳夫といった田中角栄の関係者とのエピソードから彼の人物像を明らかにしています。

『バブル文化論』

原宏之/著 慶應義塾大学出版会 2006年
80年代は戦後を真に脱却した時代であり、その特異性はバブル時に花開いたバブル文化にこそ見出されると本書で筆者は指摘しています。「ふぞろいの林檎たち」「Hanako」といった固有名を出して、当時の文化をメディア文化、ストリート文化、大衆文化の3点から考察しています。

1990(平成2)年‐2015(平成27)年

バブル経済が崩壊し「失われた20年」とよばれる経済低迷期が続いたこの時代は、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、東日本大震災、福島第一原発事故と、既存の価値観が大きく揺らぐ出来事がありました。またインターネットの普及も私たちの社会を大きく変えました。

『湾岸戦争・普天間問題・イラク戦争』

折田正樹/著 岩波書店 2013年
著者は総理大臣秘書官、外務省条約局長、北米局長、駐英大使等を歴任。湾岸戦争時の官邸外交を支え、普天間基地返還交渉、安全保障政策にも関わりました。その幅広い業績を著者が語った貴重な資料です。

『ドキュメント平成政治史1‐3』

後藤謙次/著 岩波書店 2014年
平成に入ってから25年間の日本政治の動きを全3巻で追ったルポルタージュです。1巻は竹下登内閣から橋本龍太郎内閣まで、2巻は小渕恵三内閣から小泉純一郎内閣まで、3巻は第1次安倍晋三内閣から第2次安倍晋三内閣誕生までを取り上げています。

『リアル30’s』

毎日新聞「リアル30’s」取材班/著 毎日新聞社 2012年
毎日新聞で連載された記事を書籍化した1冊です。「失われた20年」に学生時代を送り、就職氷河期に就職活動をしていた世代を取材し、彼らの働き方や生き方、人生観を紹介しています。記事に寄せられたツイッターでの反響も載っており、彼らの本音が伝わってきます。

『3・11後ニッポンの論点』

朝日新聞オピニオン編集部/編 朝日新聞出版 2011年
東日本大震災で被災した自治体の首長、政治家、経済人、文化人、市民運動家など80人から集めた真摯で誠実な意見は、「3・11後」の日本を考える手がかりとなることでしょう。