今年、北陸新幹線の開業で注目されている北陸地方。 富山・石川・福井を総称して北陸3県、これに新潟県を含めて北陸4県と呼ばれています。
北陸は本州中央部に位置し、日本海に面する地域です。 美しい富山湾と立山連峰に囲まれた富山県は、豊穣な海のめぐみと蜃気楼が有名です。 石川県は、加賀百万石の城下町として栄え、能登地方は今年のNHK「朝の連続テレビ小説」の舞台となり、その美しい自然が全国に紹介されています。 若狭湾を有する福井県は、今年の春の選抜高校野球の優勝校「敦賀気比(つるがけひ)高校」の大活躍で注目を集め、福井からますます目が離せません。 有数の米どころで知られる新潟県は、四季折々の美しい自然に恵まれ、さまざまな表情を見せてくれます。
今回は北陸に関する本を集めてみました。 あらためて北陸の魅力に浸ってみませんか。
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最終更新日 2017年05月25日
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山出保/著 岩波書店 2014年
歴史と文化のまち金沢市は、前田利家が城や城下を整えはじめてから430年余りが経過しました。歴代の藩主は争いを避け、学術と文化に力を注いだ結果、今日まで伝統を受け継ぐ環境と文化が残されました。また、金沢は、2つの台地と2つの川、まちなかの用水が手の届くところにあり、水と緑が豊かな癒しのまちです。芸能や美術工芸も盛んで、武家社会の格式や伝統をも守り続けてきました。北陸新幹線の開業を機に、より一層金沢を元気にしたいと考える著者が、金沢の成り立ちから現代までのまちづくりと市民の暮らしの歩みをまとめ、一人でも多くの人が金沢に足を運んでほしいと願って著した1冊です。
向笠千恵子/著 平凡社 2010年
小浜から京都まで、海辺から山への道を、ひと塩したさばを背負って駆け抜けた「鯖街道」と山国の正月に年取り魚として食卓の主役を飾るぶり、塩ぶりがたどった峠道「ぶり街道」が知られています。また、人間の生命を支える必需品を運んだ古代からのルート「塩の道」があります。長年、食探訪をつづけてきた著者が、何度も訪れた食の街道とそこに暮らすひとびとについて紹介し、それぞれの地域の活性化にも期待しつつまとめられています。第1部に北陸の3街道が紹介されています。
五木寛之/著 講談社 2003年
百寺巡礼シリーズの2巻としてまとめられたのは、著者が青春後期から新人作家としての日々をすごした金沢を含む北陸の寺を訪ねる旅でした。日本海沿いの北陸の地に対する特別な感情は、いまでも色あせることはないと語る五木さん。私たちのこころのふるさとを探しに、風に吹かれて、寺の街を歩きます。
農文協/編 農山漁村文化協会 2006年
富山・石川・福井のそれぞれの地域を山間・平野・海辺等に分け、そこでの昭和初期の人びとの朝・昼・晩、ハレの日・ケの日の食事と暮らしを、カラー写真をまじえて再現し、そのような食とその背景をその地の専門家が解説しています。地域の自然に支えられて成り立った食事、暮らしの核となっていた食事を紹介します。
奥野良之助/著 どうぶつ社 1995年
金沢城本丸跡にある小さな池に生息するヒキガエルを、9年間にわたり追跡した調査記録です。著者が「あいつ」と呼ぶ一匹のヒキガエルは、生存競争の激しい生き物の世界で左の後ろ足を失い、その後7年もの間元気に生き抜きました。そんな「あいつ」を含む、1526匹についての成長・繁殖・移動の克明な記録を元に、彼らの生活史を明らかにし、一つの集団が消滅するに至るまでを追跡しています。
百々俊二/著 赤々舎 2014年
「日本海から日本を見る」をテーマに、日本海沿岸を山口県から北海道まで捉えた写真集です。その中には、北陸4県の人々の生活や風景の一瞬を収めた写真が掲載されています。子どもたちの誇らしげな顔、厚い雲におおわれた空と荒々しい波の情景がなにかを語っているようです。
北陸が舞台になった小説
石川
松本清張/著 新潮社 2008年
三島由紀夫/著 新潮社 2003年
五木寛之/著
高樹のぶ子/著
恩田陸/著 角川書店 2005年
宮本輝/著 新潮社 1979年
伊集院静/著 新潮社 2002年
富山
宮本輝/著 筑摩書房 1978年
内田康夫/著 講談社 1991年
高橋治/著 新潮社 2003年
福井
泉鏡花/著 岩波書店 1975年
全集に収録されている『町双六』が福井県を舞台にしています。
泉鏡花/著 岩波書店 1975年
全集に収録されている『夜叉ケ池』が福井県を舞台にしています。
水上勉/著 中央公論社 1977年
全集に収録されている『湖の琴』が福井県を舞台にしています。
水上勉/著 中央公論社 2012年
『越前竹人形』が福井県を舞台にしています。
有栖川有栖/著 双葉社 1995年