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農を知る

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 03月から04月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
「農業」というと、皆さんはどのようなイメージを浮かべますか?畑を耕したりお米を収穫したりする姿や、野菜や果物・肉などの、おいしいものを想像するかもしれませんね。最近では、脱サラして農家に転職する事例や農業公園・農業テーマパークなどの農業を体験するイベントが増え、農業に対する関心や農業の大切さを見直す動きが高まっています。大地とふれあい、収穫の喜びを感じることのできる農業は、コンクリートに囲まれた現代人にとって、大きな魅力として映るのではないでしょうか。しかし、農業は私たちの生活に欠かせないものでありながら、働き手の高齢化、少子化による後継者不足、農地の減少などの課題をかかえており、近年ではTPP・農業改革・農協改革などの改革案も盛んに討論され、ニュースなどで話題にもなっています。古代から人々の生活を支え、私たちの生活に深くかかわってきた農業。農業は今、どのような問題を抱え、どのように変化してきているのでしょうか。
今回の展示では、農業を多角的な視点から捉えられるような、多様な資料を集めてみました。

展示関連情報

農協

『農協の未来 新しい時代の役割と可能性』

大泉一貫/編著 勁草書房 2014年
政府の成長戦略の一つとして掲げられている農協改革。農業者の団体として大きな役割を果たしてきた農協ですが、その制度・運営のあり方や姿勢に対する批判もあり、農協のあるべき姿が問い直されています。この本では、農協の実態と課題を洗い出し、これからの農協のあり方のビジョンを示しています。

『これからの総合JAを考える』

福間莞爾/著 家の光協会 2011年
JAは転換期の只中にあります。だからこそ、協同組合とは何なのか、その性質について改めて認識することが必要なのではないでしょうか。この本は、協同組合はどのように運営される組織なのか、どのような経緯で成立し、どんな性質をもっているのかを解説しています。また、それを踏まえて、今後のJAの戦略はどうあるべきかを示しています。

『農協は地域に何ができるか』

石田正昭/著 農山漁村文化協会 2012年
農協と地域は深く結びついています。この本は、地域農業の活性化、地域社会の活性化、より良い農協への変革という3つの視点から、農協が地域にどう関わっていけばよいのか論じています。様々な事例を紹介しながら、問題、課題を洗い出し、活動をより良く改善していくための方向性を示しています。

『農業協同組合法』

明田作/著 経済法令研究会 2010年
著者が全国農業協同組合中央会において、農業協同組合法(農協法)の実務に身を置いた経験をもとにまとめあげた、農協法の解説書です。農協法の全体が把握できます。

「大原幽学」について

江戸時代後期の農政学者、農民指導者です。下総国香取郡長部村(後の千葉県香取郡干潟町、現在の旭市)を拠点に、1838(天保9)年に先祖株組合という農業協同組合を世界で初めて創設した人物です。成田市にも深く関わりがあり、成田市長沼、荒海周辺を訪れています。

『大原幽学 農村改革の旗手』

千葉県学校教育教材研究委員会/編 千葉県書籍教材

『大原幽学と百姓たち』

菱沼達也/著 流山崙書房 1990年

『大原幽学と幕末村落社会 改心楼始末記』

高橋敏/著 岩波書店 2005年

『大原幽学とその周辺』

木村礎/編 八木書店 1981年

農業の現在と課題

『最新世界の農業と食料問題のすべてがわかる本』

八木宏典/監修 ナツメ社 2013年
日本の農産物貿易の現状は、他国からの輸入がなくては食生活が成り立たないほどになっており、それが食の安全や食料自給率などの問題にもつながっています。世界と日本の農業や食料にかかわる問題は、私たちの食卓とも密接に関わっているのです。この本は、日本の食糧需給や農産物貿易の現状について、豊富な写真と図版とともに解説しています。

『農業問題 TPP後、農政はこう変わる』

本間正義/著 筑摩書房 2014年
TPPや農協、農地など、農業にまつわる問題を解説しています。日本の農業の問題点や課題について、また戦後から現在に至る日本の農政についても触れ、日本農業の展望について書かれています。

『ランドラッシュ』

NHK食料危機取材班/著 新潮社 2010年
「ランドラッシュ」と呼ばれる、国外農地の争奪戦が世界で激化していることをご存知ですか?海外で農地を囲い込み、自国に持ち帰るための食料をつくるのです。背景にあるのは、食料危機に対する懸念の高まりです。産油国や中国、インドや韓国などが入り乱れる中、遅れをとる日本は、この現実と将来の食料確保にどう向き合っていけばよいのでしょうか。「NHKスペシャル」に新情報を加え書籍化したものです。

『未来の食卓を変える7人』

桜鱒太郎/著 書肆侃侃房 2012年
TPP・耕作地放棄・農協改革・食の偽装問題など、農業を取り巻く課題や難題は山積しており、特に食の安全などの問題は、近年注目が集まっています。この本では、日本の農と食の現状を見つめ、その将来像を模索してきた7人を紹介しています。

『地球最後の日のための種子』

スーザン・ドウォーキン/著 中里京子/訳 文藝春秋 2010年
もし、世界中の作物が病や災害により収穫できなくなったら、どうなるでしょう。作物が枯れ果てれば、人々は日々の食糧を失い、壊滅的な結末を迎えることになるかもしれません。「もし種が消えたら、食べ物が消える。そして君もね。」この本は、植物学者ベント・スコウマンの生涯を軸に、世界の食糧を守る「地球最後の日のための貯蔵庫」(スヴァールバル世界種子貯蔵庫)が設立されるまでを描いた科学ノンフィクションです。

『温暖化が進むと「農業」「食料」はどうなるのか?』

杉浦俊彦/著 技術評論社 2009年
地球温暖化は遠い外国で遥か未来に起きること、と思っていませんか。実は、気候変化に敏感な農作物には、既に影響が現れているのです。この本は、日本の食と農の現状と共に、温暖化によって農産物に何が起こっているのか、将来に向けて日本の農業がどうなるか、そして、何ができるかを解説しています。

『農業がわかると、社会のしくみが見えてくる』

生源寺眞一/著 家の光協会 2010年
世界や日本の食料・農業と、私たちの食事は繋がっています。だた、毎日の食卓でそのことを実感することは多くは無いのではないでしょうか。この本は、食料高騰や自給率、先進国と途上国の問題や、日本の農業の課題などに焦点を当て、それらと日々の食卓とが、どのように繋がっているのかを解説しています。

農家の日常

『ひとり農業日誌2008-2010』 『ひとり農業日誌2011-2012』

渡辺ヘルムート直道/著 ベストブック 2013年
東京を離れ、ひとりで農業をはじめた著者。クワの使い方も知らない状態から、たった一人で畑を耕し、生き物達を育てていく生活の軌跡を綴っています。実際にやってみて初めてわかることや感じること、ご近所さんとのやりとりや失敗など、試行錯誤しながらの農業生活を通して得られた経験や著者の思いが、じんわりと伝わってきます。

『農家の嫁の事件簿』

三上亜希子/著 小学館 2010年
都会育ちの著者が、山奥の農家に嫁いでからの暮らしを、イラストと共に綴った1冊。コンビニもスーパーも遠い小さな集落での、不便で窮屈と思われそうな生活の中には、実は人や自然との温かなつながりがあり、また家族やご近所さん、作物や生き物たちに囲まれた暮らしは、小さなきらめきや喜びにあふれています。

『写真集昭和の農村』

家の光協会/編 家の光協会 2006年
昭和10年代から40年代にかけての、日本の農村の生活風景を巡った写真集。家族みんなで囲炉裏を囲む姿や、機械に頼らず自然の中で農作業をする姿には、もの懐かしさが感じられます。しかし、同時に、貧しさや自然の厳しさの中に生きる人々の、辛抱や勤勉さも伝わってきます。

『農家に教わる暮らし術』

ひよっこ農家/編 池田書店 2012年
農家のワザを試してみませんか。からだと自然にやさしい日用品づくりや、自然の力がはたらく住まいづくり、ベランダでできる生ごみ堆肥づくり、エネルギーの自給の仕方や家畜との暮らし方など、農家の創意工夫が詰まった1冊です。

『農家に教わる野菜ごはん』

ひよっこ農家/編 池田書店 2012年
「自分で育てているからおいしい食べ方を知っている!」。就農10年未満の「ひよっこ農家」が、野菜の育て方や見分け方、調理の仕方や保存の仕方とあわせて、季節の野菜のレシピを紹介します。野菜をよく知っている農家だからこそわかる、野菜のおいしさを引き出す秘訣が満載です。

『究極の田んぼ』

岩澤信夫/著 日本経済新聞出版社 2010年
不耕起移植栽培の普及と環境再生農業の提唱で2008(平成20)年度吉川栄治文化賞を受賞した著者が、市民と農家が共に楽しめる、地球と人と生き物に優しい市民農園・村おこしを提言しています。

農をつなぐ

『いまこそ農業 新規就農ガイドブック』

イカロス出版 2013年
農業を、仕事にしたいと思ったことはありませんか?でも、実際に就農するにはどうすれば良いのでしょう。その疑問に答えてくれるのがこの本です。脱サラして就農する方法や事例をわかりやすく紹介しているガイドブックです。農業に関する基礎知識やアドバイスも掲載しています。

『農産物直売所へ行こう』

田中満/著 ごま書房新社 2010年
農産物の直売所は、一級品の農産物を売る専門店。この本では、農産物の流通や直売所の実態を見つめなおすとともに、新鮮で、安心で、美味しい農産物を売っている直売所を、かしこく利用する方法を紹介します。

『図解でよくわかる農薬のきほん』

寺岡徹/監修 誠文堂新光社 2014年
農作物の保護に使う薬、農薬。そもそも、農薬とはなぜ必要なのでしょうか。この本では、農薬の使い方や、農薬だけに頼らない方法、そして、農薬の安全性と、農薬の将来について解説しています。

『醸す人 東京農大魂』

東京農大校友会/編 東京農業大学出版会
「農大生が醸した酒・味噌・醤油など」を広く紹介している本です。東京農業大学で学び、家業(蔵元)として全国各地で醸した銘柄がずらりと並んでいます。

『写真ものがたり昭和の暮らし1 農村』

須藤功/著 農山漁村文化協会 2004年
おもに、昭和30年代から昭和50年代(1955年から1984年)にかけて撮影された、農村をテーマにした写真集です。囲炉裏に家族がつどい、農作業にいそしんだ日々の暮らしがよく分かります。ほんの50年前には、当たり前の風景だったことを考えると、生活が便利になったと感じるとともに、失った豊かさもあるのではないかと考えさせられます。

伝記

『農業者という生き方』

藤井久子/著 ぺりかん社 2014年
二宮金次郎や西岡京治など、農業に関わる人、発展に貢献した人について紹介しています。時代を超えて、農業者が何を目標としたのか、どのような研究をしたのか、これからの新しい農業を考えていく上で参考になる本です。

「青木昆陽」について

青木昆陽は、薩摩国(鹿児島県)からさつまいもを取り寄せ、関東に広めた人物として有名です。日本有数のさつまいもの産地である千葉県の中でも、成田市大栄地区は、さつまいもの一大産地として知られています。

『江戸時代の科学者1』

西田知己/著 汐文社 2014年
青木昆陽について紹介されています。

『日本農書全集 第70巻』

農山漁村文化協会 1996年
青木昆陽「甘藷記」について収録されています。

「宮沢賢治」について

宮沢賢治の作品は、今でも多くの人々を魅了してやみません。花巻農学校に開設された岩手国民高等学校で「農民芸術」を講じ、羅須地人協会を設立し、農村文化・農村改良活動に力を入れるなど、農と密接な関わりをもつ賢治。作品にも、賢治の農学校教師時代の生活や、農学生時代の思い出から生まれた作品が多くあり、農業への深い愛慕に満ちています。

『図説宮沢賢治』

天沢退次郎/編 筑摩書房 2011年

「二宮尊徳」について

二宮尊徳は、薪を背に本を読む少年の姿、その銅像が勤勉の象徴として有名です。江戸時代の農政家であり、農村の建て直しに力を尽くしました。印旛沼の掘割について調査したり、桜町再建の成功を祈願して成田山新勝寺に参籠していたという逸話があったりするなど、成田市とも関わりのある偉人です。

『二宮尊徳サミット報告書 第4回』

二宮尊徳サミット実行委員会 1999年
1999(平成11)年に第4回二宮尊徳サミットが、成田国際文化会館で開催されました。このサミットは、二宮尊徳ゆかりの市町村長や関係者が集い、江戸時代末期に農村復興に活躍した二宮尊徳の生き方や業績を学び、現代の自治体のまちづくりや人づくりに活かすべき道を探ろうというもので、そのサミット当日の内容をまとめた本です。

『ブータンの朝日に夢をのせて』

木暮正夫/作 くもん出版 1996年
「ブータン農業の父」と呼ばれた日本人、西岡京治。ブータンの地で、28年にわたり農業発展に尽力した農業指導者です。農地を開拓し、農作業に汗を流し、野菜の栽培を広め、食糧事情の悪かったブータンの農業振興に貢献しました。日本のやり方を押し付けず、現地の人々と共に働いた彼は、ブータンの人々に心から愛され、信頼されました。その農業指導は、日本の国際技術協力の最も成功した例に挙げられています。

『青空市場で会いましょう 日本の農と食はすばらしい』

永島敏行/著 家の光協会 2012年
千葉県生まれの俳優である著者が俳優になった経緯から、農にかかわるようになった理由などを交えた半生が描かれた著作です。成田市周辺の農業体験などについても触れられている1冊です。

農家・農業をテーマにした小説

『怒りの葡萄』上・下 新訳版

ジョン・スタインベック/著 早川書房 2014年
1930年代のアメリカが舞台で、天災と不況、機械化農業に追われ土地を失った、オクラホマの貧農家族の悲劇的な運命を描いた小説。1939(昭和14)年の発表当時から現在に至るまで世界的に高い評価を受けている小説です。日本でも翻訳本が多く出版され、映画化もされています。

『大地』全4巻

パール・バック/著 新潮社 2013年
続編の「息子たち」「分裂せる家」とあわせた3部作の内の第1作です。19世紀から20世紀にかけて、中国が新しい国家へ生れ変ろうとする激動の時代に翻弄されつつも、大地に力強く生きた人々の姿を描く大河ドラマです。著者はこの作品で、ピューリッツァー賞、ノーベル文学賞を受賞しました。

『黙示』

真山仁/著 新潮社 2013年
農薬散布中のラジコンヘリが小学生の集団に墜落する場面から始まり、さまざまな農業の問題を含みながら物語が展開していきます。日本の農業、環境、食料問題を考えさせられる小説です。

『グリーン・グリーン』

あさのあつこ/著 徳間書店 2014年
農林高校に赴任した新米教師(翠川真緑、通称グリーン・グリーン)が、実習や生徒たちの苦悩と向き合いながら出会う、驚愕と感動の日々を描いています。

『生きるぼくら』

原田マハ/著 徳間書店 2012年
主人公の青年が、認知症の祖母のために取り組んだ米作りや、人間関係を通して成長していく物語。食べることをないがしろにしてきた主人公が、お米のおいしさに感動するシーンは、大きな共感を呼びます。

『限界集落株式会社』

黒野伸一/著 小学館 2011年
限界集落とは、過疎化・高齢化(人口の50パーセント以上が65歳以上の高齢者である)により、経済的、社会的な協同生活(冠婚葬祭など)の維持が困難になり社会単位としての存続が危ぶまれている集落を指します。物語は、小さな集落・止村(とどめむら)を舞台に、東京から来た企業コンサルタントである青年が農業によって村を復興させようとするところから始まります。

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