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2014年度展示情報一覧
日本の近代西洋建築を振り返る ‐東京駅開業100周年‐

日本の近代西洋建築を振り返る ‐東京駅開業100周年‐

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 11月から12月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
 1914(大正3)年12月に東京駅が開業してから、今年2014(平成26)年でちょうど100年になります。2012(平成24)年、丸の内駅舎の保存・復元工事が完了して、開業当時の東京駅の姿が蘇りました。
 周辺の各幹線を接続する鉄道交通網の中核、帝都東京の象徴として計画・建設された東京駅は、周辺の開発とともに建設された同時期の西洋建築とともに、日本の近代化の象徴となりました。
 日本の明治・大正期を彩った、東京駅や他の西洋建築の数々を振り返ります。

展示関連情報

東京駅の100年

開業から100年、東京駅の歴史は近現代の日本の歴史でもあります。東京駅がどうして造られたのか、どのように発展していったのか、その歴史を知ることができる本を紹介します。

『東京駅の履歴書 赤煉瓦に刻まれた一世紀』

辻聡/著 交通新聞社 2012年
鉄道開業から40年余経って生まれた東京駅の造られた意図や、駅とその周辺の開発、戦後の復興と発展と近現代の東京と共に歩んできた歴史を、その時々に起きた出来事とともに振り返ります。

『絵解き東京駅ものがたり 秘蔵の写真でたどる歴史写真帖』

イカロス出版 2012年
東京駅の計画から現在までを、数多くの写真やカラーイラストでたどります。東京駅開業の約1年後に営業を始めた東京ステーションホテルや、周辺地域に建てられた丸の内ビルディングなど多くの建物の写真も、当時の様子とともに紹介しています。

『進化する東京駅 街づくりからエキナカ開発まで』

野崎哲夫/著 交通研究協会 2012年
JR誕生後から本格的に開発が始まった、駅の中にある商業施設を中心とした施設を「エキナカ」と呼びます。東京駅が日本の中央駅として誕生してから現在までの、駅の進化の歴史と丸の内や八重洲などの周辺地域と連携した街づくりを紹介しています。

近代日本に活躍した建築家たち

明治時代、欧米の技術や学問、制度を導入するために欧米から数多く招かれた「お雇い外国人」の中には、ジョサイア・コンドルに代表されるような優れた建築家もいて、多くの作品を残しました。日本人の若き建築家達は彼らの技術から多くを学び、その成果は数々の近代建築に見られます。ここでは、日本の建築を大きく変えた建築家について書かれた本を紹介します。

『鹿鳴館を創った男 お雇い建築家ジョサイア・コンドルの生涯』

畠山しんじ/著 河出書房出版社 1998年
鹿鳴館やニコライ堂など数々の日本の名建築を手がけたイギリスの建築家、ジョサイア・コンドル。明治以降の日本建築界の生みの親とも言われながら長い間歴史に忘れ去られていた彼が、日本でどう過ごし何を残したのか、多くの資料をもとに説き明かします。

『東京駅の建築家辰野金吾伝』

東秀紀/著 講談社 2002年
東京駅の駅舎や日本銀行本店を手がけた建築家、辰野金吾の生涯を描いた長編小説。唐津藩の下級武士の子として過ごした少年時代から、上京・留学して建築を学び、試行錯誤して仕事を成し遂げる姿を、主に彼の人柄にスポットを当て温かい目線で語ります。

『帝国ホテル・ライト館の謎 天才建築家と日本人たち』

山口由美/著 集英社 2000年
アメリカで活躍し、日本にも作品を残しているフランク・ロイド・ライト。1923(大正12)年9月1日、日本での代表作である帝国ホテル新館の落成披露宴が予定されていたその日、東京を関東大震災が襲います。しかし立役者であるはずのライトは、その場にはいませんでした。「帝国ホテル」という建築物を中心に据え、ライトにとっての帝国ホテル建築の意味や、建築に関わった日本人たちの人生を考察します。

『建築家と小説家 近代文学の住まい』

若山滋/著 彰国社 2013年
明治から昭和の同時期に生きた建築家と小説家をそれぞれ取り上げ、文学の中の建築的記述を追うことで、「建築史からの文学史」と「文学史からの建築史」をたどります。「これまで別々の物として語られてきた物語に橋を架け、新しい視野を開きたい」とは冒頭の筆者の言葉です。

近代建築を訪ねよう

現代に遺された近代建築には、当時建てられたものならではの趣があります。ここでご紹介する本の中に心魅かれる建築物を見つけたら、ご自分の目で鑑賞してその時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

『近代建築散歩 東京・横浜編』

宮本和義、アトリエM5/著 小学館 2007年
1868(明治元)年から1955(昭和30)年までに建てられた建築物で、東京都内および横浜周辺から小田原・箱根にかけて存在する物およそ570件が掲載されています。地域ごとに23のコースに分けられており、立地の近いものは地図を見ながらぐるりと見て回ることができる、建築ガイドブックです。

『お屋敷拝見』

内田青蔵/著 河出書房新社 2003年
東京近郊には、明治・大正・昭和期に建てられた歴史的建造物が数多く残っています。この本では、その中でも特に西洋の様式を取り入れた洋館16軒を取り上げ、その歴史や注目すべきポイントを解説しています。巻末には、洋風建築の用語解説絵解き事典がついています。

『近代名建築で食事でも』

稲葉なおと/著 白夜書房 2007年
明治から昭和初期に建てられた貴重な近代建築の中には、一般公開されているだけではなく中で食事を愉しめる物も存在します。フランス料理から大学の学食まで、著者自身の体験を赤裸々に交えながら、歴史を感じつつ食事もできる建築物を紹介する鑑賞紀行です。(データは2006年当時のもの)

日本近代建築の歴史的背景

明治・大正時代の日本は、明治維新を経て文明開化を進めて、急速に西欧化へと突き進みました。当時の日本の様子を知る本を通して、近代建築の歴史的背景を見てみましょう。

『レンズが撮らえた幕末明治日本の風景』

小沢健志/監修 山川出版社 2014年
東海道五十三次のすべての宿と全国各地の町並みを、幕末から明治初期当時の貴重な写真で物語る一冊です。近代化の途上にある日本の姿と人々の風俗が、鮮明に描かれています。

『絵で見る明治の東京』

穂積和夫/絵と文 草思社 2010年
明治維新後、急速に文明開化を進める日本にあって、東京は江戸趣味と西洋の文化が混在し刻々と変化を続けていました。町並みや人々の振る舞い、身の回りの道具の変化を、建築・都市イラストの第一人者が160枚の絵で生き生きと描く興味深い一冊です。明治時代の東京市街地図付き。

『大正ロマン手帖 ノスタルジック&モダンの世界』

石川桂子/編 河出書房新社 2009年
わずか15年間で終わりを迎えた大正時代。その間に生み出された『大正ロマン』の世界には、明治時代とはまた違った魅力があります。この本では「抒情画」「おしゃれ」「女性」「芸能」「文化生活」の五つの側面から、どこか儚さを感じさせる独特の文化を紹介しています。