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多読多聴のすすめ

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 01月から02月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
英語教師でもあった夏目漱石は『現代読書法』という文の中で、「英語を修むる青年は或る程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英語を沢山(たん)と 読むがよい」として“多読せよ”と勧めています。(岩波書店刊『漱石全集』第25巻所収。)少し解らないところがあっても飛ばしてどんどん読んでいくと、 そのうち前後の関係からわかるようになるし、それでも解らないような語ならそもそも滅多に出ない文字である、と漱石は述べています。
今回は、そのような多読、そしてたくさん聴く=多聴による英語学習の本を集めてみました。

展示関連情報

多読・多聴とは?

英語多読や多聴とはどんな勉強方法か?どうして良い勉強法と言われるのか等、英語多読・多聴の説明や基本的な学習方法を教えてくれる入門書をご紹介します。

『英語は多読が一番!』

クリストファー・ベルトン/著 渡辺順子/訳 筑摩書房 2008年
英語を学ぶには物語の本を読むのが一番、と著者は言います。なぜなら、次に何が起こるか知りたくなって、それが読み進める動機になるからです。筋を追っていくうちに内容が読み取れていく様子を、実例を用いながら非常にわかりやすく示しています。その他英語読解のコツやレベル別本の選び方まで紹介した、よい入門書となっています。

『英語多読完全ブックガイド めざせ!1000万語』

古川昭夫/編著 神田みなみ/編著 コスモピア
多読学習用に使える英語の本をレベル別に10000冊以上リストアップしており、本格的に取り組もうという方にとって頼りになる本です。

『大人のための英語多読入門 50代からの人生を変える!』

佐藤まりあ/著 酒井邦秀/監修 コスモピア 2008年
50代半ばから多読を始めた著者が、人生のセカンドステージを迎えた方々に向けて、大人の趣味として洋書多読の魅力と実践方法をわかりやすく伝えます。著者の推奨する多読三原則、「辞書は引かない」「わからない部分は飛ばす」「進まなくなった本は後回し」の実践で英語をマスターし、充実した英語多読ライフを楽しんでみませんか?

『モギケンの音楽を聴くように英語を楽しもう! 学生・ビジネスマンがひとりでできる!』

茂木健一郎/著 朝日出版社 2011年
脳科学者の著者が、脳科学の視点から最も効果的な英語学習法を伝授します。無料で楽しく英語多聴を体験できる、インターネット上のリスニング素材も紹介されています。

多読・多聴の方法いろいろ

多読・多聴には様々な方法があります。物語を読む、ニュースを見聞きする、著名人のインタビューやプレゼンテーションから学ぶ等、様々な多読・多聴方法を取り上げた本から、自分にぴったりの方法を見つけてみてください。

『ジャパンタイムズ社説集』

ジャパンタイムズ/編 ジャパンタイムズ
日本の英字新聞であるジャパンタイムズの社説を集めたもの。付録CDが付いているので、リスニングの訓練にも使えます。これ以外に、CDはついていませんが、日経新聞の英語版社説を集めた本や、朝日新聞のコラム「天声人語」の英訳本などもあります。

『天声人語』

朝日新聞論説委員室/編 原書房

『英語で読む日本経済新聞社説』

日本経済新聞社/編 日本経済新聞出版社

『iPhone英語勉強法多読&多聴トレーニング』

松本秀幸/著 日本実業出版社 2011年
身近なツールiPhoneを使っていつでもどこでも空き時間に多読多聴をすすめるためのやり方を紹介している本です。アプリをはじめ、ウェブや書籍などまで広く使った学習法を提案しています。自分の発音を録音して確かめることができるのもiPhoneのいいところです。

『リトル・チャロ 完全版』

わかぎゑふ/原作 佐藤良明/英語脚本 日本放送出版協会
NHKのテレビ、ラジオで何度も続編が放送されている、人気英語アニメーションのストーリー・ブックです。飼い主とはぐれてニューヨークの空港で迷子になってしまった子犬のチャロが、日本に戻るために仲間と協力し、奇跡を起こす感動の物語です。かわいいキャラクターとわかりやすい英語表現で、気軽に英語多読に挑戦できます。

原文に触れる

成田市立図書館では、海外絵本から海外小説まで多くの英語原文に触れることができます。最初に紹介した『英語は多読が一番!』に載っている文字数や内容から見たレベル別おすすめの本の中から、図書館所蔵のものをいくつかピックアップしました。自分に合いそうなレベルから、多読に挑戦してみましょう。

レベル1(入門)

『Curious George』

H.A.Rey/著 Houghton Mifflin
『おさるのジョージ』シリーズ

『Frog and Toad』

Arnold Lobel/著 HarperCollins
『がまくんとかえるくん』シリーズ

『Peter Rabbit』

Beatrix Potter/著 FrederickWarne
『ピーターラビット』シリーズ

レベル2(初級)

『Magic Tree House』

Mary Pope Osborne/著 Random House
『マジック・ツリーハウス』シリーズ

『Charlie and the Chocolate factory』

Roald Dahl/著 Puffin Books 1995年
『チャーリーとチョコレート工場』(ティム・バートン監督映画「チャーリーとチョコレート工場」原作)

『Catwings』

Ursula K. Le Guin/著 Scholastic
『ゲド戦記』の作者アーシュラ・K・ル=グウィンによる物語『空飛び猫』

レベル3(中級)

『Harry Potter』

J.K.Rowling/著 Bloomsbury
『ハリー・ポッター』シリーズ(映画「ハリー・ポッター」シリーズ原作)

『A series of unfortunate events』

Lemony Snicket/著 HarperCollins Publishers
『世にも不幸なできごと』シリーズ(映画「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」原作)

『 The Chronicles of Narnia』

C.S. Lewis/著 HarperCollins Publishers
『ナルニア国物語』シリーズ(映画「ナルニア国物語」シリーズ原作)

レベル4(なれてきたら)

『I Heard That Song Before』

Mary Higgins Clark/著 Simon& Schuster 2007年
人気サスペンス作家メアリ・ヒギンズ・クラークによる、日本語未訳の本

『Murder on the Orient Express』

Agatha Christie/著 HarperCollins 1994年
アガサ・クリスティ『オリエント急行の殺人』

『The Sky is Falling』

Sidney Sheldon/著 Morrow 2000年
シドニィ・シェルダン『空が落ちる』

レベル5(さらに読みなれてきたら)

『Jurassic Park』

Michael Crichton/著 Ballantine Book 1991年
マイケル・クライトンのSF小説(映画「ジュラシック・パーク」原作)

『Different Seasons』

Stephen King/著 Warner Books 1995年
スティーブン・キングの中篇作品集『恐怖の四季』(『スタンド・バイ・ミー』他収録)

『The Da Vinci code』

Dan Brown/著 Doubleday
ダン・ブラウンのサスペンス小説(映画「ダ・ヴィンチ・コード」原作)
上記以外にも、読者のレベルに応じた多読向けシリーズも出版されています。

日本の文学に英語で触れる

村上春樹さんをはじめ、実は多くの日本文学が英語翻訳されています。上級者はぜひ、慣れ親しんだ日本文学に英語で触れてみることで、違いを堪能してみてはいかがでしょうか。

『英語力は英訳本で磨く 日本の文豪作品からオタク文学まで』

上岡伸雄/著 NHK出版 2009年
村上春樹さんの『ノルウェイの森』では、主人公が女性に「どれくらい私のこと好き?」と聞かれて「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになってしまうくらい好きだ」と答えます。この独特の表現は、英訳本では"Enough to melt all the tigers in the world to butter"(Jay Rubin訳)という英訳に。日本文学の魅力を英訳者がどのように伝えようとしているかを、夏目漱石からマンガまで幅広く紹介する1冊です。

日本文学英訳本

『Norwegian wood』

村上春樹/著 Jay Rubin/訳 Vintage Books 2006年

『OUT 英文版』

桐野夏生/著 スティーブン・スナイダー/訳 講談社インターナショナル 2003年

『吾輩は猫である Level2(1300‐word)洋販ラダーシリーズ』

夏目漱石/著 R.F.ズフェルト/訳 アイビーシーパブリッシング 2006年

多聴用資料

成田市立図書館では音声CD付きの英語絵本や雑誌も所蔵しています。やさしい英語朗読からインタビューまで、いろいろな英語を聴いてみませんか?

朗読CD付き英語絵本

『おおきなかぶ The gigantic turnip』

A.Tolstoy/原作 内田莉莎子/再話 ピーター・ハウレット/訳 アールアイシー出版 2004年

『The Polar Express』

Chris Van Allsburg/著 Houghton Mifflin 1985年
CGアニメーション映画「ポーラー・エクスプレス」原作

雑誌

『ENGLISH JOURNAL』

アルク
「生の英語のインタビューを通して異文化を学ぶ」ための、英語学習雑誌です。ハリウッドスターやセレブへのインタビューを、付属CDでリスニング学習できます。