星空の劇場では、夜ごと月や惑星、流星や彗星によって、素敵な天体ショーが繰り広げられています。しかし、いつどこでどんなショーが演じられているのかを知らなければ、なかなかそれを見て楽しむことができません。
今年の夏は、1948年に本田実さんらによって発見された「45p/本田・ムルコス・パジュサコバ周期彗星」が、地球に最接近します。また、ペルセウス座流星群が8月12日から13日頃に極大となります。かつて、彗星は不吉なことの前触れとしておそれられており、世界中にその出現の記録が残っています。科学技術の進歩により、今では彗星や超新星の正体も究明され、多くの人がその様子を身近に観測できるようになりました。それでも、宇宙の謎については、まだまだすべてを知ることはできません。
今回は、そんな天体の不思議に焦点をあて、宇宙の最新情報について、あるいは伝説や神話についてなど、多彩な切り口で本をご紹介します。
星空探訪
最終更新日 2017年05月25日
天体観測
誠文堂新光社 2009年
天文アマチュアに向けて、天文観測の基礎知識からさまざまな観測の仕方について書かれているシリーズです。「星食・月食・日食編」「流星観測編」「惑星観測編」などがあります。
藤井旭/著 誠文堂新光社 2007年
天体観測の楽しみ方について写真を使用して分かりやすく解説しています。
藤井旭/企画・構成 誠文堂新光社 2010年
2011年にどんな天文現象が起こるのか、カレンダー風にまとめてあります。びっくりするほどたくさんの事象が掲載されています。
簡単に星空観測の「予習」ができます。
簡単に星空観測の「予習」ができます。
渡部潤一/監修 アストロノーツ 2007年
太陽系・惑星科学の最新情報を網羅し、探査画像など約140点、イメージしやすい図解を120点収録しています。
天体写真
中西昭雄/著 誠文堂新光社 2010年
「天体写真」の基本である固定撮影やガイド撮影、天体望遠鏡を使った撮影、日食と月食の撮影、さらにパソコンを使った簡単な画像処理などについて解説しています。
谷川正夫/著 地人書館 2011年
デジタルカメラやカメラ付携帯電話から撮影する方法や、天体望遠鏡やバードウォッチング用のフィールドスコープとそれらを組み合わせて拡大撮影する方法など、気軽に挑戦できる写真術を解説しています。
コメットハンター
えびなみつる/著 誠文堂新光社 2011年
20世紀初頭から、彗星の命名法として、発見者の名前を付けるという慣習が一般的になりました。池谷・関彗星、アイラス・荒貴・オルコック彗星など、日本の彗星探索者(コメットハンター)20人による新彗星捜索と発見のドキュメントを紹介しています。
山岡均/著 実業之日本社 2006年
新天体を発見するにはどうしたらいいのだろう?そしてもし本当に新天体を発見したら、どうやって手続きをすればよいのだろう?
この本は、新天体を発見するにあたってのさまざまな知識やエピソードを紹介しています。星を見るための6カ条、天体情報サイト、新天体のリストなども収録されています。
この本は、新天体を発見するにあたってのさまざまな知識やエピソードを紹介しています。星を見るための6カ条、天体情報サイト、新天体のリストなども収録されています。
天文ガイド編集部/編 誠文堂新光社 1979年
日本人のコメットハンター17名の、新彗星発見についてのエピソードが語られています。記録としてだけでなく、読み物としても大変興味深いものです。
星空の伝説
出雲晶子/著 白水社 2008年
星・星座を科学的に扱うのではなく、行事や伝承など、星に関連した文化について世界中の星の物語を比較しています。切り口が民俗学的で、また違った星の魅力が語られています。
作花一志/編 福江純/編 恒星社厚生閣 2006年
紀元前から20世紀までの歴史に残る8つの天文現象を、天文学と歴史学の視点から解説しています。日食、ハレー彗星、人類が月に降り立った日・・・新たな切り口により、宇宙の謎を解くカギとなり、新しい歴史観が呼び起こされます。
藤井旭/著 誠文堂新光社 2008年
有名な星の物語は、ギリシャ神話(星座)ですが、世界各国には一味違った星物語が数多く伝えられています。そんな、そぼくな星物語を紹介しています。
米山忠興/著 丸善 2006年
難しい数式をほとんど使用せず、天文学に関する周辺の身近な話題をとりあげて解説しています。天文学と人の生活や暦、季節との関係が分かります。
天文学入門
松田卓也/文 たむらしげる/絵 福音館書店 1993年
小学校中級向けの絵本ですが、大人が読んでも十分楽しめ、非常に分かりやすく説明されています。漠然と、知っているつもりになっていた宇宙をおさらいするのに最適な本です。
駒井仁南子/著 誠文堂新光社 2007年
星の名前の由来、星マークはなぜ☆と書くのか、など、星にまつわる数々の「きほん」について、分かりやすく解説されています。
『夜空からはじまる天文学入門 素朴な疑問で開く宇宙のとびら』
渡部潤一/著 化学同人 2009年
宇宙はどのように生まれたのだろうか?なぜ月には空気がないのだろうか?火星はどうして赤いのだろうか?
このような素朴な疑問をもとに、宇宙を楽しみながら学べるよう工夫された本です。
このような素朴な疑問をもとに、宇宙を楽しみながら学べるよう工夫された本です。
林完次/著 ソニー・マガジンズ 2006年
一年の折々の星空や自然の移り変わる様子を言葉と写真で紹介しています。星月夜、風花、雲の峰、虎落笛など、日本の美しい言葉にも触れてください。
月夜
星河光佑/写真 杉山久仁彦/文 青菁社 2010年
「月」をテーマにした写真を集め、月と人類の関わりの歴史が分かる「月物語」とともに紹介しています。
林完次/写真・文 角川書店 2010年
花天月地、鏡花水月、木の下月夜、月の船・・・。心に沁みる月の風景に、月の言葉を添える、ビジュアル版の月の歳時記です。
ジュールズ・キャシュフォード/著 別宮貞徳/監訳 片柳佐智子/訳 柊風舎 2010年
月にまつわる世界中の神話や伝説、信仰、行事・風習、語源などに焦点をあてています。
宇宙の謎
中冨信夫/著 講談社 2007年
ロケットは、最終的に時速何kmになるか?スペースシャトルの搭乗に不適格な身体条件は?宇宙服やスペースシャトルはなぜ白いのか?など、宇宙工学アナリストとして宇宙開発の発展を見てきた著者が、その間に集まった話題(知識)をクイズ形式でまとめた本です。
佐藤勝彦/監修 PHP研究所 2006年
相対性理論・量子重力理論・ブレーン宇宙論など、最新理論で考える宇宙と時間の謎。宇宙の始まりと時間の始まりについて、興味深い内容を分かりやすく語っています。
スティーブン・ウェッブ/著 松浦俊輔/訳 青土社 2004年
宇宙がエイリアンだらけなら、いったい彼らはどこにいるのだろう?という、20世紀を代表する物理学者フェルミが提出したパラドックス(フェルミ・パラドックス)を解決するために、宇宙論から物理学、確率論、SF的想像力を駆使し、謎へと挑む本です。
鳴沢真也/著 旬報社 2009年
宇宙に生命が存在する可能性はあるのか?どうしたら探すことができるのか?発見したらどうすればいいのか?
公開天文台に勤務する著者が、知的生命探査へのアプローチの一端を紹介しています。
公開天文台に勤務する著者が、知的生命探査へのアプローチの一端を紹介しています。
『なぜ、めい王星は惑星じゃないの? 科学の進歩は宇宙の当たり前をかえていく』
布施哲治/著 くもん出版 2007年
冥王星は、2006年に惑星ではなくなり、準惑星と位置づけられました。どうして惑星から新しい「準惑星」というグループにかわったのでしょうか?子ども向けの本ですが、大人にもおすすめです。