日本の自然を考える ‐2010年は国際生物多様性年‐
最終更新日 2017年05月25日
展示期間 : 09月から10月
展示場所 : 本館一般展示
現在、人間の活動によって1年間におよそ4万種の生物が絶滅しつつあるといわれています。生物多様性が急速に失われているのです。
生物多様性とは、種の多様性、同一種内での多様性、生態系の多様性を含む、生命のあらゆる多様性のことをいいます。
今年は、国連が定めた「国際生物多様性年(IYB:International Year of Biodiversity)」です。また、10月には「生物の多様性に関する条約(Convention on Biological Diversity)」第10回締約国会議(COP10)が名古屋で開催されます。
「生物多様性」という視点から、まわりの環境を見直し、「自然」とはどういう状態が望ましいのか、改めて考えてみませんか。
生物多様性とは、種の多様性、同一種内での多様性、生態系の多様性を含む、生命のあらゆる多様性のことをいいます。
今年は、国連が定めた「国際生物多様性年(IYB:International Year of Biodiversity)」です。また、10月には「生物の多様性に関する条約(Convention on Biological Diversity)」第10回締約国会議(COP10)が名古屋で開催されます。
「生物多様性」という視点から、まわりの環境を見直し、「自然」とはどういう状態が望ましいのか、改めて考えてみませんか。
生物多様性とはなにか
鷲谷いづみ/著 岩波書店 2010年
カラーイラストや図版を数多く用いて、生物多様性とは何か、守るために何をしなければならないかをまとめた本です。「自然を守るために」行われていることが、実は生物多様性を破壊する原因になっていることを分かりやすく説明しています。
井田徹治/著 岩波書店 2010年
クロマグロの大量消費は何が問題なのか?人類を養う絶妙な生物ネットワークを守るために何をすべきか?脅威にさらされる世界各地の「生物多様性のホットスポット(特に豊かな場所)」と保全のための新しい仕組みを取材し、人間と自然の関係修復を訴えています。
生物多様性の恩恵
林希一郎/編著 中央法規出版 2010年
生物多様性の利用の側面に焦点を当てた政策の重要性、経済やビジネスとの関わりについて書かれています。
枝廣淳子/著 技術評論社 2009年
先進企業の生物多様性への取り組みを紹介して、生物多様性がこれからのビジネスにどのような影響を与え、リスクやチャンスをもたらすのか、そしてこれから生物多様性に取り組む企業はどのようにすればよいか解説しています。
自然保護
山本良一/企画監修 ダイヤモンド社 2007年
地球にはたくさんの種類の生きものがいて、豊かな自然環境があり、すべての生命が輝く個性をもっています。詩や絵が多数あります。
日本生態学会/編 文一総合出版 2010年
日本生態学会公開講演会の内容をまとめた本で、生物多様性についてより深く学ぶための入門書です。「アマモ場の生物多様性と機能」に富津干潟が載っています。
藤原幸一/著 講談社 2010年
環境破壊や人間との共存で苦悩する野生動物の姿を、日本や世界各国を取材し写真とともに紹介しています。
日本の自然を考える
竹内純子/編 山と溪谷社 2010年
野口健さんほか19人の著名人や尾瀬保護活動のなかから教わった「みんなの自然をみんなで守るヒント」です。
森林環境研究会/編著 森林文化協会 2009年
日本の生物多様性が特集です。「生物のにぎわいとつながりを取り戻す 千葉県の「戦略」」についても載っています。
大澤雅彦/監修 講談社 2008年
日本のさまざまな保護地域についての解説がされています。
里山
農文協/編 農山漁村文化協会 2009年
山菜、きのこ、竹、燃料、昆虫、動物など山の暮らしの知恵を知り、日本の山里の幸を楽しむ本です。
平野伸明/著 TBSブリタニカ 2000年
里山ウオッチング。日本の自然の四季の写真が満載です。
中川重年/監修 農山漁村文化協会 2006年
シリーズ1‐6あり、テーマ別に日本の里山・里海を紹介します。1は「体験できる里」です。
危機への対処
エドワード・O・ウィルソン/著 紀伊國屋書店 2010年
生物多様性論を牽引してきたウィルソンによる、現在の地球の生物種の減少スピードに対する警告と、生きものの賑わいに満ちた地球を守るために、立場を超えた協力の必要と生物学教育の充実による次世代の育成を提言した、渾身の自然保護論です。
ジョン・H・ヴァンダーミーア/著 みすず書房 2010年
食卓の1本のバナナと高い生物多様性を有する熱帯雨林の急速な破壊との関連を丹念にたどっていくことで、誰もが望んでいるはずの生物多様性の保全が、国際政治の争点となる理由を提示しています。
絶滅・進化
川上洋一/著 東京堂出版 2009年
絶滅が危惧される生物に野外で出会うためのガイドブック。絶滅危惧種に関心を持ち、生息地に立ってみて、自然がどんな状況にあるかがわかります。こうした自然が損なわれることがないように。
多紀保彦/監修 平凡社 2008年
外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害が問題になっています。日本の外来生物について、カラー写真で紹介・解説されています。
北海道大学CoSTEPサイエンスライターズ/著 技術評論社 2007年
アリの姿をまねたクモ、若返りするふしぎなくらげなど、多種多様な変わった生物たちは進化の結果生まれてきました。イラストとともに紹介します。
関連Web情報
環境省自然環境局 生物多様性センター:Biodiversity Center of Japan
生物多様性についての国家戦略を受けて、その中核的拠点として1998(平成10)年設立されました。日本の植生、動植物の分布、河川・湖沼、干潟、サンゴ礁などについて基礎的な調査やモニタリングを実施しています。
生物多様性情報システム(J‐IBIS:Japan Integrated Biodiversity Information System)
日本の生物多様性や自然環境に関するさまざまな情報を収集・提供するためのシステムです。自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)の成果、絶滅危惧種に関する情報をはじめ、生物多様性や自然環境に関する総合データベースです。レッドデータブックの情報を検索することもできます。環境省自然環境局 生物多様性センターが運営しています。
生物の多様性に関する条約(生物多様性条約):Convention on Biological Diversity(CBD)
生物の多様性に関する条約を解説しています。日本は1993(平成5)年に締結しました。条約の内容を実施するための国家戦略なども解説しています。外務省作成。
生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)支援実行委員会
2010(平成22)年10月に、生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)が開催されます。その支援実行委員会が、会議やその関連事業について案内しています。子ども向けに生物多様性をわかりやすく説明したページもあります。
国連による国際生物多様性年を紹介するサイトです。生物多様性の現状や世界各地の取り組み、生物多様性年の記念イベントやその参考資料をみることができます。左上のリンクから日本語をクリックすると、サイトの内容の一部が日本語で表示されます。Secretariat of the Convention on Biological Diversity作成。
生物の多様性の保全及び持続可能な利用についてを示し、関連する施策の推進のため、2008(平成20)年6月6日に生物多様性基本法が公布、施行されました。
経済産業省よる生物多様性条約を巡る動きをまとめたページです。同省ではバイオテクノロジーやバイオ産業を社会・経済上重要な産業と位置づけています。その基盤となる生物遺伝資源の保全と適切なアクセスのため、生物多様性条約を重視しています。