資料名小宮豊隆書簡 鈴木三重吉宛 明治43年4月23日
著者名小宮豊隆
出版者
作成年1910(明治43)年4月23日

書き下し文

封筒表

東京本郷区森川町一柳瀬方 四月二十三日 小宮豊隆

封筒裏

千葉県成田町 鈴木三重吉様

本文

御葉書拝見  此二三日小鳥の巣面白く読んでゐる。□□が充実してゐるから、いい気持である。昨日の処など殊によかった。今日の「小石を一つ一つおこしていくところもうまかった。からだを大事にしたまえ。東の口は、外の人が這入ったので駄目になった。豊隆は神経衰弱である。

解題

『小鳥の巣』の連載を在京の仲間が毎日楽しみにしていることが分かる。「昨日の処」というのは、新聞連載の九ノ七(第42回)、「小石を一つ一つおこして行くところ」はその次の日の「九ノ八」(第43回)の主人公の十吉が過去の生活を回想しながら、寂寥に懊悩している箇所である。この葉書の少し後の1910(明治43)年4月27日に三重吉は小吉館に豊隆を訪ねたが酒を飲みすぎたあげく乱暴をしている。『小鳥の巣』の筆が思うように進まず、気持ちが苛立っていたせいであろう。

(山本佗介 事務局にて一部加筆)

NSIN(書誌ID)DL20131000150
種別書簡
細目葉書
ページ数1枚
大きさ(縦×横)14.0×9.0cm
資料群名鈴木珊吉氏寄贈の鈴木三重吉資料
目録番号22
撮影年月日2012/09/12
掲載枚数 2 枚
備考
所蔵成田市立図書館
分類 816.6
件名鈴木三重吉
小宮豊隆
件名(成田)成田市-鈴木三重吉
キーワード(成田)
地域コード9N
郷土分類866