資料名 | 夏目漱石書簡 鈴木三重吉宛 明治43年3月29日 |
著者名 | 夏目漱石 |
出版者 | |
作成年 | 1910(明治43)年3月29日 |
書き下し文
封筒表
千葉県成田町 鈴木三重吉様
封筒裏
東京牛込早稲田南町七 夏目金之助 三月二十九日
本文
御手紙拝見春雨の候御地は如何。淋しい由。色々な意味にて誰も淋しく候。小鳥の巣毎日拝見随分御苦心の事と存じ候へども書きかけたもの故是非共始末を奇麗に御付可被成候 学校授業執務の外に小説を毎日書くのは定めて御難儀とは存居候。小生は胃の加減わるく気に任せて長く筆を執ると疲労する故大抵毎日一回位で故魔化し居り候、いづれ委細は御面晤 草々頓首
三月二十九日 金之助
三重吉様
解題
これは夏目漱石から鈴木三重吉の『小鳥の巣』連載執筆へのねぎらいの書状である。金之助は漱石の本名。この頃三重吉は、本町谷津(現成田市本町)の関川藤右衛門の別宅を借りて住んでいた。
『小鳥の巣』の国民新聞連載は1910(明治43)年3月3日から開始されたから、漱石は毎日読んでいたのであろう。漱石のほうも『三四郎』『それから』の三連作『門』の連載を東京朝日新聞に1910(明治43)年3月1日から始めているが、この執筆中に持病の胃潰瘍の症状が悪化した事が文面からも窺える。
(山本佗介 事務局にて一部加筆)
NSIN(書誌ID) | DL20101000100 |
種別 | 書簡 |
細目 | 巻紙・封皮共 |
ページ数 | 1枚 |
大きさ(縦×横) | 外寸(26cm×96cm),本紙(18cm×63cm) |
資料群名 | 鈴木珊吉氏寄贈の鈴木三重吉資料 |
目録番号 | 15 |
撮影年月日 | 2012/09/12 |
掲載枚数 | 1 枚 |
備考 | |
所蔵 | 成田市立図書館 |
分類 | 816.6 |
件名 | 鈴木三重吉 夏目漱石 |
件名(成田) | 成田市-鈴木三重吉 |
キーワード(成田) | |
地域コード | 9N |
郷土分類 | 866 |