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読書活動の推進
子どもの読書活動推進計画
(第1次)成田市子どもの読書活動推進計画(2004年6月-2023年3月)

(第1次)成田市子どもの読書活動推進計画(2004年6月-2023年3月)

最終更新日 2023年05月21日

(第1次)成田市子どもの読書活動推進計画

平成16年6月策定

第1章 はじめに

国は、平成11年8月、読書の持つ計り知れない価値を認識し、子どもの読書活動を国を挙げて支援するため、平成12年を「子ども読書年」と定めました。また、翌年12月には「子どもの読書活動の推進に関する法律」が公布、施行されました。 同法は、その第2条において、子どもの読書活動は、「すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない」と、子どもの読書活動の推進に関する基本理念を述べています。さらに、第3条及び第4条では、子どもの読書活動の推進に関する施策の策定及び実施が国・地方公共団体の責務として明記するとともに、第8条及び第9条では、国は、子どもの読書活動推進基本計画を、都道府県及び市町村はそれぞれ、子ども読書活動推進計画の策定に努め、公表しなければならないこととしています。 同法に基づき、平成14年8月、国の「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定、公表され、さらに、平成15年3月には、千葉県の「千葉県子どもの読書活動推進計画」が策定、公表されました。 そこで、国・千葉県が策定したこれらの計画を基に、本市の実情等を踏まえながら、子どもたちが自主的に読書活動を行うことができる環境の整備を推進することを目指し、子どもの読書活動推進に関する施策を総合的に推進するために、「成田市子どもの読書活動推進計画」を策定するものです。

1 国の動向

(1) 「子どもの読書活動の推進に関する法律」(平成13年12月12日 法律第154号)の概要

この法律は、目的、基本理念、国の責務、地方公共団体の責務、事業者の協力、保護者の役割、関係機関等との連携強化、子ども読書活動進基本計画、都道府県子ども読書活動推進計画等、子ども読書の日、財政上の措置等の規定から成っています。

(2) 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(平成14年8月)の概要

1) 基本的方針
 ア 子どもが読書に親しむ機会の提供と諸条件の整備・充実
 イ 家庭、地域、学校を通じた社会全体での取組の推進
 ウ 子どもの読書活動に関する理解と関心の普及
2)  子どもの読書活動の推進のための方策
 ア 家庭、地域、学校における子どもの読書活動の推進
 イ 子どもの読書活動を推進するための施設、設備その他諸条件の整備・充実
 ウ 図書館間協力等の推進
 エ 啓発広報等
3)  方策の効果的な推進に必要な事項
 ア 推進体制等
 イ 財政上の措置

2 千葉県の動向(「千葉県子どもの読書活動推進計画」平成15年3月)の概要

(1) 計画推進の柱と施策の方向

1) 家庭・地域・学校を通じた子どもが読書に親しむ機会の提供と充実
2) 子どもの読書環境の整備・充実
3) 子どもの読書活動に関する理解と関心の普及
4) 推進体制の整備

(2) 子どもの読書活動推進のための方策

1) 家庭・地域・学校を通じた子どもが読書に親しむ機会の提供と充実
ア 家庭における子どもの読書活動の推進
イ 図書館における子どもの読書活動の推進
ウ 公民館図書室や児童館などにおける子どもの読書活動の推進
エ 子ども文庫などNPOの活動に対する奨励
オ 学校等における子どもの読書活動の推進

2) 子どもの読書環境の整備・充実
ア 地域における子どもの読書環境の整備
イ 県立図書館児童サービスの充実
ウ 学校図書館等の整備・充実
エ 図書館間協力等の推進
3) 子どもの読書活動に関する理解と関心の普及
4) 推進体制の整備

第2章 子どもの読書活動推進のための方針

1 子どもの読書活動の意義

国際化・情報化・少子化等の進展に伴い、めまぐるしく変化している今日の社会情勢は、子どもの生活にも様々な影響を与えています。
そのような中で、子どもの活字離れ、読書離れが指摘されていますが、このような状況が進むと、豊かな人間形成の障害となり、社会に与える影響が大きいことも懸念されます。
子どもの豊かな心を育み、健やかに成長するためには、読書活動が必要不可欠であり、また、生涯にわたって様々な学習を積み重ね、豊かな人生を送っていくた めにも読書はなくてはならないものです。一方、子どもたちが自主的に読書を行うようになるためには、乳幼児期から読書に親しむ環境づくりに配慮することが 必要となります。
このように、子どもの心の健全な成長を促し、次代を担う子どもの豊かな人間形成と人生をより深く生きる力を身につける上で、読書の役割は極めて重要であり、市を挙げて、子どもが自主的に読書活動を行うことができる環境づくりを推進していく必要がありあります。

2 子どもの読書活動の現況

子どもたちを取り巻く生活環境は、テレビ、ビデオ、ゲームその他の映像・情報メディアの浸透、生活のスタイルの変化などにより、大きく変わっています。こ のような生活環境の変化から、子どもたちの興味や関心が多様化し、読書離れ・活字離れが急速に進みつつあり、その影響から、子どもたちの言語能力の低下、 表現力の低下、言葉の乱れなどがみられると指摘されています。
本市における子どもの読書活動の状況を見ると、平成15年度の成田市における各学校図書館の総貸出し数から割り出した1年間の一人あたりの平均貸出し数は、小学生29.8冊、中学生8.7冊です。多くの学校で総貸出し数は増加の傾向にあります。

3 計画の柱

子どもの読書活動の推進に関して、国の「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」では、基本的方針として、
(1)子どもが読書に親しむ機会の提供と諸条件の整備・充実
(2)家庭、地域、学校を通じた社会全体での取組の推進
(3)子どもの読書活動に関する理解と関心の普及
の3項目が示されました。
また、千葉県の「千葉県子どもの読書活動推進計画」では、
(1)家庭・地域・学校を通じた子どもが読書に親しむ機会の提供と充実
(2)子どもの読書環境の整備・充実
(3)子どもの読書活動に関する理解と関心の普及
(4)推進体制の整備
が計画推進の柱とされています。
本市では、このような国の基本的方針や千葉県の計画推進の柱等を基に、本市の実情等を踏まえながら、「子どもが自主的に読書活動を行うことができる環境づくり」のために、次のように計画の柱を設定します。
1)家庭・地域・学校を通じた子どもが読書に親しむ機会の提供と充実
2)子どもの読書環境の整備・充実
3)子どもの読書活動に関する理解と関心の普及等

4 計画の期間

平成16年度からおおむね5カ年とします。

5 計画推進の柱と取組の方向

——取組の体系——

子どもが自主的に読書活動を行うことができる環境づくり

1.家庭・地域・学校を通じた子どもが読書に親しむ機会の提供と充実

  1. 家庭における子どもの読書活動の推進
  2. 市立図書館における子どもの読書活動の推進
  3. 保健福祉施設における子どもの読書活動の推進
  4. 学校等における子どもの読書活動の推進
    • 児童生徒の読書習慣の確立/読書指導の充実
    • 幼稚園や保育所(園)における子どもの読書活動の推進
    • 障害のある子どもの読書活動の推進
    • 学校関係者の意識高揚
    • 家庭・地域との連携による読書活動の推進

2.子どもの読書環境の整備・充実

  1. 市立図書館児童サービスの充実
    • 児童資料の充実
    • 児童に対する直接サービスの充実
    • 調べ学習や総合的な学習の時間等への対応
    • 職員を対象とした研修の充実
    • 市立図書館蔵書検索の充実
  2. 学校図書館の整備・充実
    • 学校図書館等の図書資料、施設・設備の整備・充実
    • 学校図書館の情報化
    • 学校間、学校と図書館間の配送サービスの構築
    • 学校図書館の活用を充実するための人的配置の推進
    • 学校図書館関係者を対象とした研修の充実

3.子どもの読書活動に関する理解と関心の普及等

  1. 「子ども読書の日」等における事業の実施
  2. 広報紙・誌による理解の促進
  3. 各種情報の収集・提供
  4. 推進体制の整備(継続的な読書活動推進のための体制整備)

第3章 子どもの読書活動推進のための取組

1 家庭・地域・学校を通じた子どもが読書に親しむ機会の提供と充実

(1) 家庭における子どもの読書活動の推進

(1) 家庭における子どもの読書活動の推進
子どもが自主的に読書を行うためには、乳幼児期から読書に親しむことが肝要です。それには、大人達が子どもに言葉をかけたり、自らが本に親しむ等、環境 づくりに配慮することが必要であり、また、家庭においてできる限り本の「読み聞かせ」や「おはなし」を継続して行うことも大切です。
このため、生涯学習や家庭教育に関する講座、研修会あるいは、子育て支援のための講座など様々な機会を通じて、子どもへの「読み聞かせ」や「おはなし」や読書の重要性について、保護者の理解が得られるよう働きかけることが大切です。
また、家庭からもインターネットを利用して、市立図書館のホームページから、「おはなし会」や行事等の様々な情報の提供ができるように努めてきました。
今後とも、「おはなし会」等の積極的な活用を促すとともに、保護者の理解が得られるよう働きかけることが必要になっています。

【推進に向けての取組】
市立図書館や学校・幼稚園・保育所(園)を通して、「読み聞かせ」・「おはなし」や読書の重要性について、保護者に働きかけていきます。
また、子育て支援ネットワーク充実事業の子育て学習講座や思春期子育て講座等において、「読み聞かせ」・「おはなし」の大切さ等についての理解の充実に努めます。

(2) 市立図書館における子どもの読書活動の推進

市立図書館は、子どもにとって読書の楽しみを知り、本を通して知識を得ることが自由にできる場所です。また、保護者にとっては、豊かな蔵書の中から、子どものために本を選んだり、本を読んであげたり、一緒に読書をすることのできる場所です。
市立図書館では、ブックスタート事業として、親子で本に親しむ「はじめてであう本コーナー」を平成13年3月に設置しました。
また、開館直後の昭和59年から図書館内の「おはなし室」で、毎週土曜日の午後と3月の春休み期間中に「おはなし会」を、さらに平成15年度からは、0・1歳児及びその保護者を対象とした「おはなし会」を開催しています。
「土曜日のおはなし会」の参加者に多少の変動が見られますが、平成15年度の1回あたりの参加者数は13名ほどと根強い人気を得ています。
「はるやすみおはなし会」の参加者数も近年、多くなっています。
このように「おはなし会」は、子どもが本に親しむ第一段階として大変重要になっています。

【推進に向けての取組】
「おはなし会」は、子どもの読書活動の推進の一環として大変重要であり、ボランティアサークル等の協力を得ながら、さらに内容の充実を図ります。
また、読み聞かせの出来るボランティアを養成し、開催回数を増やすなど引き続き内容の充実を図ります。
また、子どもに薦めたい本のリストの作成・配布及び本の展示等は、子どもの読書活動を推進する上で重要な役割を果たしていますので、今後とも、これらの事業を通して子どもの読書活動を多方面に支援します。

(3) 保健福祉施設における子どもの読書活動の推進

子どもから高齢者まで、幅広い多くの市民の総合的な保健福祉に関する事業を推進するため、平成14年7月に開館した成田市保健福祉館内に子育て支援事業のひとつ「子どもと保護者がいつでも自由に遊べる場」として、「ちびっこ広場」を設置しました。
「ちびっこ広場」では、読書に親しみを持ってもらうための方策の一つとして、月に2回(第2、第4水曜日)お話ボランティアによる乳幼児とその保護者に 絵本や紙芝居の「読み聞かせ」を行っています。一方、ブックスタート事業の一環として、館内に設置した情報コーナーに絵本をそなえてその活用も図られ、子どもが読書に親しむ契機となっています。
また、「読み聞かせ」は、子どもが本に親しむための手段として「おはなし会」と同様に重要であると位置付けて、保健福祉施設における子どもの読書活動の支援を様々な機会を捉えて取り組んでいきます。

※【ブックスタートとは】
ブックスタートは、1992年、英国の第2の都市であるバーミンガムで始まりました。
英国では、ブックスタートが読書推進運動という枠に留まらず、子どもの育つ環境を豊かにする運動であると捉えられたため、乳幼児保健の専門家などが関わる、社会的に広い支援を受け入れる運動として発展しました。
また、英国では、移民の増加により識字率の低下が大きな社会問題となっていたため、当初はブックスタートと識字率の向上の関係が大きな注目を集めていま したが、現在ではこの点よりも「楽しさを共有すること」が目的だと理解されてきています。運動は英国全土の87%の地域に広がっており、各地の取組の成功 は、運動に関わる図書館員や保健師の「子どもに健やかに育って欲しい」というボランティア的な意識が非常に大きいと報告されています。

【推進に向けての取組】
子どもの読書についての理解が得られるよう保護者に働きかけることが大切です。そこで、乳幼児健康診断等の子どもと保護者が集まる機会を利用して、ボラン ティアが絵本の選び方の指導や読み聞かせをし、子どもの読書活動の推進に努めます。また、家庭教育や子育て支援のための講座等を通じて、家庭や地域での読 み聞かせや子どもが読書を楽しむ時間を持つ意義についての理解の促進に努めます。
さらに、平成16年度から、10カ月児育児相談時(月1回)に、地区保健推進員による絵本の紹介を行っていきます。

(4) 学校等における子どもの読書活動の推進

平成14年度より新教育課程が完全実施され、自ら学び自ら考える力や豊かな人間性などの「生きる力」を育むために様々な取組が行われています。各学校で は、子どもの「確かな学力」の向上と「豊かな心」の育成を目指し、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開していきます。
このような中で、読書活動は子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につける上で欠くこと のできないものであり、学校において読書習慣を身に付けさせ、読書活動を推進することは、子どもの健やかな成長を促し、「生きる力」を育むためにも大変重要です。

【推進に向けての取組】
○児童生徒の読書習慣の確立/読書指導の充実
読書活動の推進を図る上で、小・中学校において児童生徒の読書に親しむ態度を育成し、読書習慣を身に付けさせることは大変重要です。
このため、各教科、特別活動、総合的な学習の時間等を通して学校図書館の活用を図るとともに読書に親しむ態度の育成に努めます。また、読書活動の推進や「朝の読書活動」などの校内一斉読書を推進していきます。
また、必読書・推薦図書等を定めている学校もあります。今後とも、各学校において学校図書館だよりの発行や図書選定委員会等を設置し、必読書・推薦図書の選定等を行うなど、読書に対する啓発を推進していきます。
さらに、学校支援ボランティアによる読み聞かせ活動を推進し、読み聞かせに使用した本や同系列本を紹介したり、読書月間、読書週間を設定するなど本に対する興味や関心を高めるための活動の充実を図っていきます。

○幼稚園や保育所(園)における子どもの読書活動の推進
絵本や童話の言葉の楽しさ、美しさ、内容のおもしろさなどにふれることがその後の読書の基礎となる言葉の力を育むことから、幼稚園や保育所(園)においては絵本や童話などの読み聞かせを通して、イメージを豊かにし、想像して楽しむ経験を豊かにすることが大切です。
そのために、子どもや保護者が絵本や物語などに親しむ活動を積極的に行います。また、市内の保育園では日々の保育の中で、乳児の時から保育士による「読 み聞かせ」等で、絵本に親しむ機会を設けております。さらに、異年齢交流において小・中学生が、幼稚園児や保育所(園)児に読み聞かせを行うなど、子ども が絵本等にふれる機会の拡充に努めます。
あわせて、幼稚園や保育所(園)で行っている未就園児を対象とした「おはなし会」や園開放においても、保護者等に対して、読み聞かせ等の大切さや意義を広く普及し、理解と協力を得るように努めます。

○障害のある子どもの読書活動の推進
障害のある子どもが豊かな読書活動を体験できるように、各学校では障害の種別や程度に応じた選書や読書環境の工夫、読書時間の設定、視聴覚機材の活用、 学校支援ボランティア・教職員・図書館司書による「読み聞かせ」や「ブックトーク」の実施等に努め、読書活動の推進を図ります。
また、市立図書館では、朗読ボランティア・点字ボランティアの協力により、本を朗読してカセットテープに吹き込んだ「録音図書」を作成し、来館が困難な方に宅配サービスを行うなど、引き続きサービスの充実に努めます。

※【ブックトークとは】
特定のテーマに沿った何冊かの本を順序よく紹介することであり、あらすじを語ったり、本の一部を見せるなどして、読書への興味を喚起させることを言います。

○学校関係者の意識高揚
これまでの読書活動への取組は、教員一人ひとりの意識・関心によるところが大でした。読み聞かせや朝の読書などの取組も広がってきていますが、教員の読書に対する意識を一層高めていくことが求められています。
市内全校への学校図書館司書の配置や司書教諭の発令、校内一斉の読書活動の広がり、教科や総合的な学習の時間等における調べ学習等により、教員の読書に 対する意識も高まってきていますが、さらに、司書教諭・学校図書館司書を中心として校内の読み聞かせ会の充実を図り、学校図書館の活用方策や読書活動の促 進方策等について情報交換や研究協議を積極的に行い、司書教諭をはじめとする教職員の意識の高揚に努めます。
また、児童生徒の自主的な読書活動の推進、学校図書館の一層の活用を図るため、司書教諭を中心として学校全体、教職員全員で取り組む校内体制づくりを推進します。
さらに、子ども読書の発展につながる研修会への参加を促し、教職員の指導力の向上を図り、学校図書館を活用した指導の充実に努めます。

※【司書教諭とは】
学校図書館の運営・活用についての職務(図書資料の選択・収集・提供や子どもの読書活動に対する指導等)を行う教諭のことです。司書教諭講習を修了した教諭の中から発令し、12学級以上の学校に置かなければならないこととされています。

○家庭・地域との連携による読書活動の推進
子どもの読書活動を支援していくために、学校が家庭・地域と連携して積極的に読書活動を推進します。
学校支援ボランティアによる読み聞かせ活動を積極的に取り入れ、各学校が家庭・地域と連携して地域人材の活用を図るとともに、家庭での読書活動の習慣化について積極的に啓発に努めます。

2 子どもの読書環境の整備・充実

(1) 市立図書館児童サービスの充実

市立図書館では、子どもの読書活動への支援のために、昭和59年の開館まもなく開始した「おはなし会」に代表されるような様々なサービスを行っています。
また、ブックスタート事業の始まりを受けて、平成13年3月に設置した「はじめてであう本コーナー」をはじめ、テーマ展示やブックリストの発行等を行ってきました。これらは、子どもの読書活動を推進する上で重要な役割を果たしています。
さらに、調べもの学習の援助を電話・文書・電子メールでも行うレファレンスサービスのほか、職員が直接子どもに本の紹介や、児童資料の提供等、児童サービスの充実を図っています。
公民館等に併設されている図書館分館は、地域における中心的な読書活動施設となっています。今後は、各分館に「はじめてであう本コーナー」を設置し、分館におけるサービス体制の強化を図り、子どもと本を結びつけるための環境の整備・充実を図ります。
また、子どもが読書に関心を示すきっかけ作りとなるような支援体制を含めた読書環境の整備・充実を図っています。
子どもの読書の推進に努めるために、16年度は、「こどもの日」の5月5日の祝日を臨時開館しました。今後とも開館について検討を進めます。

※【レファレンスサービスとは】
何らかの情報を求めている利用者に対して、情報又は情報源を提供・指示するサービスをいいます。

【充実に向けての取組】
○児童資料の充実
調べ学習や読み聞かせ等に利用されている図書館の児童資料は、あらゆる分野において充実することが望まれます。
市立図書館の平成5年度における児童書の蔵書冊数は166千冊でしたが、10年後の平成15年度では233千冊の蔵書冊数となり、67千冊、1.4倍の増冊となっています。
なお、増冊内訳の主な分野は、蔵書冊数で比較すると、絵本で28千冊、文学で17千冊、芸術で2千冊となっています。増冊率の高いものでは、産業の2.3倍、社会科学で1.9倍、技術・芸術・言語・絵本で1.5倍となっています。
市立図書館の児童書の蔵書冊数は233千冊で、千葉市(389千冊)、柏市(272千冊)に次いで県内第3位です。ちなみに、人口1人たりの蔵書数は 7.56冊で、光町(16.32冊)、白井市(8.63冊)、袖ヶ浦市(8.60冊)に次いで県内第4位となっています。(「千葉県の図書館」平成15年 度版より)。今後とも更に、児童資料の整備、充実に努めます。
児童書のリクエスト状況を見みると、リクエスト資料の90%以上を所蔵資料で対応できているのも充実のあらわれと考えられます。
また、収集した資料の紹介を積極的に行っています。特に子どもの場合、書棚に並ぶたくさんの本の中から、幅広く本を選ぶことが難しいので、ブックリスト やテーマ展示による本の紹介が必要です。市立図書館では、新1年生向けブックリスト「ばんざいいちねんせい」の各校への配布、夏休み向けの推薦図書リスト 「いいほんみつけた」(小学校1・2年、3・4年、5・6年、中学生)の発行、年間6回行うテーマ展示、季節や行事などにちなんだ資料の展示などを通じ、 常に子どもと本を結びつけるきっかけを提供しています。
今後も引き続き、乳幼児向け資料をはじめとする年齢に応じた資料の収集と紹介の充実に努めます。
さらに、国際都市成田にふさわしく、外国語絵本(英語・ドイツ語・フランス語・ポルトガル語・韓国語・中国語)や、国際理解教育に関する資料の収集に努めます。

○児童に対する直接サービスの充実
児童に対するサービスは、児童書の選定、児童コーナーの整備、児童書に関する相談、おはなし会の運営など、全般にわたり開館当初から行っています。
特に、児童に対する直接サービスとしては、毎週土曜日の午後3時から児童コーナーの「おはなし室」で、絵本・紙芝居の「読み聞かせ」や「素ばなし」を行っています。
また、1年生から4年生までの児童を対象に、平成5年から開始したボランティアの方と図書館司書による「学校訪問おはなし会」は、年々、依頼が増加して おります。平成15年度は、小学校20校のうち17校101学級で実施しています。今後は、5年生以上を含めた全学年を対象にした「学校訪問おはなし会」 の実施を研究してまいります。
昭和63年度から開始した「学校訪問貸出し」は、図書館から遠い地域の小学校(三里塚・本城・遠山)へ、8月を除く毎月1回学校の休み時間や下校時間に 合わせて訪問し、児童に本の貸出しを行っています。なお、学校訪問貸出しについては、今後の在り方について検討を進めます。
平成17年度には三里塚複合施設内に、市立図書館の分館としての機能を持たせた図書室が開設されます。この施設内には、子育て支援施設の設置が計画されていることから、市内の他の分館より児童向けの図書を増やし、地域における子ども読書活動の推進を図ります。

○調べ学習や総合的な学習の時間等への対応
平成14年4月に「総合的な学習の時間」が始まって以来、様々なテーマを調べるために来館する子どもが増えてきました。テーマに沿った資料を自分で探し出し、結果をまとめるという作業は、時間もかかり、子どもたちにとって容易ではありません。
市立図書館では、こうした子供たちに対し、辞典類の使い方、目次や索引の見方等を指導し、与えられたテーマは広い視野で捉え、複数の資料から回答を導き出せるような方法の助言に努めます。
今後は、各学校との情報交換等を行い連携を図り、調べ学習において市立図書館が有効に利用されるよう努めます。

○職員を対象とした研修の充実
市立図書館職員の資質向上のための研修会に、司書を積極的に参加させ、意識高揚を図ります。
また、市立図書館司書、司書教諭、学校図書館司書が合同で開催する同研修会は、子どもの読書活動を他方面から支援できるよう連絡、連携を図る必要からも、研修の充実に努めます。

○市立図書館蔵書検索の充実
市立図書館は、利用者用検索端末を18台、利用者用インターネット端末を4台、CD-ROM用端末を1台設置し、様々なデータの検索に供しています。ま た、蔵書データ等は、ホームページによる情報の提供に努めています。今後とも、子どもが求めている本に自らたどり着けるよう、蔵書検索システムの一層の充実に努めます。

(2) 学校図書館の整備・充実

学校図書館は、児童生徒の自由な読書活動や児童生徒に対する読書指導の場であり、児童生徒の知的活動を増進し、興味や関心等を呼び起こす「資料センター」 としての機能を果たすとともに、自発的・主体的な学習活動を支援する「学習・情報センター」、豊かな感性や情操を育む「読書センター」としての機能を担う ことが求められます。
また、各教科、特別活動、総合的な学習の時間等において多様な学習活動が展開されるためには、学校図書館が学校教育の中核的な役割を担うことが期待されています。

【整備・充実に向けての取組】
○学校図書館等の図書資料、施設・設備の整備・充実
学校図書館が「資料センター」「学習・情報センター」「読書センター」としての機能を果たし、学校教育の中核的な役割を担うためには、学校図書館の機能の充実に向けた環境の整備や児童生徒の多様な興味や関心に応える魅力的な図書資料を整備・充実することが必要です。
本市の学校図書整備予算は県内でも上位になっています。
市立図書館の協力・支援を得て、子どもの発達段階に応じた図書の選書や整備を進めるなど、今後とも図書資料の着実な整備・充実を進めます。
施設面においては、市内小・中学校の全学校図書館に冷暖房が完備されています。今後とも児童生徒が快適に読書活動を行うことができるような環境の整備に努めます。

○学校図書館の情報化
学校図書館の情報化に向けて、中学校では平成13年度、小学校では平成14年度に書誌情報データ(バーコード)の整備が完了したところであり、校内LANの整備完了後に、学校図書館コンピュータシステムの導入を進めます。これにより、蔵書検索、図書の貸出し・返却、利用者管理等が迅速かつ効率的に行えるようになります。
さらに、今後、学校図書館ネットワークシステムを構築し、他校の蔵書検索ができるようにするとともに、市立図書館とのネットワーク化を図り、学校図書館から市立図書館の蔵書確認がより早くできるようにするなどの利便性の向上を図ります。

○学校間、学校と図書館間の配送サービスの構築
市立図書館や学校図書館のネットワークを構築し、これを利活用した蔵書の共同利用化や必要な図書の学校を超えた相互利用による蔵書・図書の有効活用を推 進するため、学校と学校、学校と市立図書館の間における図書資料の配送方法等、配送サービスの構築に関する調査・検討を行います。

○学校図書館の活用を充実するための人的配置の推進
学校図書館は、教育課程の円滑な実施を支える資料センターの機能を発揮しつつ、児童生徒が自ら学ぶ学習・情報センターの機能と豊かな感性や情操を育む読書センターとしての機能を有しています。
司書教諭は、これらの、学校図書館の機能の活用を図り、児童生徒の読書活動を推進していく上で中核的役割を果たすものであり、平成15年4月から市内各学校に発令しています。
また、学校図書館の円滑な運営と読書活動推進のために本市独自の事業として「学校図書館司書配置事業」を実施しています。本事業は、平成6年度に2名の 配置から開始して順次拡充を図り、平成15年4月からは28名の配置として学校図書館司書をすべての小・中学校に各校専任で週3日以上配置するという県内 でも進歩的な取り組みとなっています。
今後とも司書教諭の発令、学校図書館司書の整備・充実に努めるとともに、各学校では司書教諭・学校図書館司書のみならず、全ての教職員の連携・協力のもとに学校図書館の活用の充実を図ります。

○学校図書館関係者を対象とした研修の充実
学校図書館は、児童生徒にとって読書の楽しみを知り、本を通して自由に知識を得ることができるところであり、司書教諭や学校図書館司書は、今後とも児童 生徒の読書活動を積極的に支援していくことが求められます。そのためには、本の選定、本に関する相談など広範な知識が必要となります。
そこで、本市では、司書の役割や情報交換などを内容とする研修会を開催しています。特に、市立図書館司書と合同で行う研修会は、お互いに理解を深めるとともに図書館の運営に大いに役立っています。
これらの研修会については、学校図書館司書の資質向上に十分な役割を果たすことが期待できますので、今後とも充実に努めます。

3 子どもの読書活動に関する理解と関心の普及等

(1) 「子ども読書の日」等における事業の実施

「子どもの読書の日」(4月23日)は、国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるために設けられました。
そこで、本市としては、「子ども読書の日」の趣旨にふさわしい「おはなし会」や「絵本の展示」等の実施に努めます。

(2) 広報紙・誌による理解の促進

市立図書館では、館報「紙ふうせん」の発刊以来、随時、子どもの読書に関する特集を組み、一般利用者に対し、図書館における児童サービスの取組や、子どもと本とを結び付けることの意義等について啓発に努めてきました。
また、各学校においても「図書室だより」等を通じ、保護者に対して子どもの読書の重要性の啓発に努めています。
今後とも、これらの広報誌・誌等を通じて、保護者等に対する「子どもの読書の楽しさと重要性について」の理解の促進に努めます。

(3) 各種情報の収集・提供

市立図書館の蔵書には、児童書の研究書や児童サービスに関する研究書、学校や家庭における読書推進に関する資料も多数あります。これらは、子どもの読書推 進の動きが高まるにつれ、児童書そのものの充実とあわせて強化していく必要があります。なお、「子ども読書の日」には、これらの一部を特設展示していま す。
また、新聞・雑誌記事等をインターネットやCD-ROMを利用しての検索、子どもの読書に関する情報をいち早く提供することもできます。今後とも、生涯学習情報の一環として、子どもの読書活動に関する情報を、幅広く収集するとともに、速やかな提供に努めます。

(4) 推進体制の整備(継続的な読書活動推進のための体制整備)

本計画を効果的に推進するため、教育委員会が中心となり、関係機関、団体等の連携・協力関係をさらに強化し、家庭、学校、地域が一体となった取組を進めます。
また、今後とも読書活動推進に関する情報の収集、提供に努めるとともに、図書館協議会等に報告するなど、読書活動の推進体制の整備に努めます。