2008(平成18)年に押尾禎一氏から寄贈いただいた資料を,2007(平成19)・2008(平成20)年度に補修いたしました。2007(平成19)年度補修の資料は,同年度に展示いたしました。
今回は,本年(2008(平成20)年)度補修の資料を紹介するものです。
2階展示コーナー「市川団十郎と成田」と併せて展示しました。>>
押尾禎一氏寄贈資料から
神山魚貫自作一首
「 滝辺花
たき水のいとの長くも
咲さくら落ちるひびきも
さはらさくらし
神山魚貫 」
神山 魚貫(かみやま なつら)
1788(天明8)年-1883(明治15)年
幕末の田園歌人。飯岡村(現在の成田市飯岡)に生まれ,はじめ周助,のち父の名である三郎左衛門を襲名し,村の名主も務めた。魚貫は号。松迺舎,無境庵とも称した。幼少より和歌を好み,独学で歌を学んだ。生涯を通して歌作と書に親しみ,95歳の長寿を保って逝去した。代表的な歌集は『苔清水』。また,飯岡に歌碑がある。
門人は,近在はもとより現在の千葉県・茨城県に限らず新潟県などにも及んでいた。中には,下総国学の中心になった伊能頴則,椿仲輔,鈴木雅之などもいる。