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最終更新日2009/10/14
◇講師:安原素子氏 ほか
◇期間:2007(平成20)年4月から2008(平成21)年3月まで(計15回)
◇時間:午後1時から3時
◇場所:成田市立図書館 本館2階集会室
◇受講者:30名
◇内容:平成20年音訳協力者養成講座(第5回音訳協力者養成講座)

成田市立図書館では本を音訳してカセットテープに録音した「録音図書」を製作しています。

貸出対象は,視覚に障がいあるなど,本をそのままの状態では読めない,または読みにくい方々です。

この講座では音訳や録音の知識・技術を学びました。受講者には,講座終了後も継続して勉強会を行い,音訳協力者として活動していただきます。


講座の詳細
開催日講座内容
第1回2008年4月17日(木)<障がい者サービスについて>
講師:図書館職員
・成田市立図書館の障がい者サービス,録音図書,音訳についての説明
・安原素子氏より挨拶と次回からの講座の説明
第2回2008年5月15日(木)<音訳の基礎(1) 読みをささえる1>
講師:安原素子氏
■ノドに過重な負担をかけない発声法
・聞き取りやすい明瞭な発音のための口の構え方
・意味の段落と息つぎ,滑舌訓練方法
第3回2008年6月6日(金)<言葉の調べ方>
講師:図書館職員
・参考資料室と辞典(冊子,CD-ROM)の紹介
・インターネットでの調査方法と注意点
第4回2008年6月19日(木)<音訳の基礎(2) 読みをささえる2>
講師:安原素子氏
■日本語発音の特徴
・読書モードから音訳モードへ切り替えた発音について
第5回2008年7月17日(木)<音訳の基礎(3) 読みをささえる3>
講師:安原素子氏
■読み方を調べて,音訳者の理解を確かにする
・意味のまとまりと読点について
・言いたいことが明らかになる強調表現法について
第6回2008年9月18日(木)<音訳の基礎(4) 音声化にそなえて1>
講師:安原素子氏
■日本語アクセントの特徴
・『アクセント辞典』の使い方
第7回2008年10月3日(金)<聞きやすい朗読法>
講師:岩井正氏(NHK日本語センター)
・アナウンサーとしての朗読は,比較的音訳に近い。
・聞きやすい声になるには,練習あるのみ。
・自分で録音したものを聞いて,より聞きやすい声を探すことが必要。
第8回2008年10月16日(木)<音訳の基礎(5) 音声化にそなえて2>
講師:安原素子氏
■第1次下読みの方法と注意点
・可能なかぎり音声化する。
・わかりよさへの対処(意味が通らないことがらへの処理)法。
第9回2008年11月7日(金)<音訳協力者による録音図書製作体験談>
講師:コスモスの会より3名,ひまわりより2名
・活動していくのに上手,下手は関係なく,「根気」が必要。
・新聞などを使って,勉強会以外でも毎日声を出し続ける。
・時間は使い方次第で,仕事しながらでも続けられる。
第10回2008年11月20日(木)<音訳の基礎(6) 音声化にそなえて3>
講師:安原素子氏
■第2次下読み(通し下読み)の方法と注意点
・わかりよさへの対処(処理)を加えた下読みをする。
・なめらかな読みのためにする口馴らしをする。
第11回2008年12月18日(木)<音訳の基礎(7) たしかな音訳1>
講師:安原素子氏
■書き記された通りの音声化とは
・書き表された意味の通りに読む。
・聞く端からわかる読みをする。
第12回2009年1月15日(木)<音訳の基礎(8) たしかな音訳2>
講師:安原素子氏
■音声化情報としての確かさを高めるために必要なこと
・理解を妨げない読み=解釈は聞き手に委ねる。
・自然な聞き疲れない読み=過剰な演技的表現は避ける。
第13回2009年2月6日(金)<DAISYについて>
講師:吉広賢史氏(日本障害者リハビリテーション協会)
・録音図書のデジタル化を目指しまとめられた規格がDAISY。
・世界共通(国際規格)のアクセシブルな情報システム。
・目次に設定した場所へ簡単操作で移動が可能になる。
・1冊の本を1枚のCDに録音できる。
・「マルチメディアDAISY」音声と同時に画面上の文章の色が変わる。様々な障がいでの活用が考えられ,研究が進められている。
第14回2009年2月19日(木)<音訳の基礎(9) たしかな音訳3>
講師:安原素子氏
■完成度の高い音訳をめざして
・音訳者自身が行う聞き返しチェック(モニター)の仕方
・第三者が行う聞き返しチェック(校正)の仕方
第15回2009年3月19日(木)<音訳の基礎(10) まとめ>
講師:安原素子氏
・音訳は総合科学,「熱い心と冷たい頭」で取り組む必要がある。
・「仕事」として責任感と,高い意欲,向上心が求められる。
・日ごろの訓練と心がけ
 *無理のない自然な声のために:ノドの健康保持に関心を持つ。
 *聞き取りやすい発音のために:発音や滑舌の訓練を継続する。
 *落ち着いた安定した読みために:正確に音読する練習を積む。
 *好ましい表現力のために:よい読みを数多く聴いて耳を肥やす。
 *調査(下調べ)する習慣をつける:わからないことを放置しない。
 *辞典類にも限界がある:言葉に対するセンスをみがく。

<講座の様子の写真>

講座の様子の写真

音訳の基礎について,受講生が1人ずつ指導を受けました。


講座第13回,DAISYについてのときの写真

「DAISYについて」では,紹介DVDを見て,
日本障害者リハビリテーション協会,吉広賢史氏のお話を伺いました。