成田市立図書館では本を音訳してカセットテープに録音した「録音図書」を製作しています。
貸出対象は,視覚に障がいあるなど,本をそのままの状態では読めない,または読みにくい方々です。
この講座では音訳や録音の知識・技術を学びました。受講者には,講座終了後も継続して勉強会を行い,音訳協力者として活動していただきます。
開催日 | 講座内容 | |
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第1回 | 2008年4月17日(木) | <障がい者サービスについて> 講師:図書館職員 ・成田市立図書館の障がい者サービス,録音図書,音訳についての説明 ・安原素子氏より挨拶と次回からの講座の説明 |
第2回 | 2008年5月15日(木) | <音訳の基礎(1) 読みをささえる1> 講師:安原素子氏 ■ノドに過重な負担をかけない発声法 ・聞き取りやすい明瞭な発音のための口の構え方 ・意味の段落と息つぎ,滑舌訓練方法 |
第3回 | 2008年6月6日(金) | <言葉の調べ方> 講師:図書館職員 ・参考資料室と辞典(冊子,CD-ROM)の紹介 ・インターネットでの調査方法と注意点 |
第4回 | 2008年6月19日(木) | <音訳の基礎(2) 読みをささえる2> 講師:安原素子氏 ■日本語発音の特徴 ・読書モードから音訳モードへ切り替えた発音について |
第5回 | 2008年7月17日(木) | <音訳の基礎(3) 読みをささえる3> 講師:安原素子氏 ■読み方を調べて,音訳者の理解を確かにする ・意味のまとまりと読点について ・言いたいことが明らかになる強調表現法について |
第6回 | 2008年9月18日(木) | <音訳の基礎(4) 音声化にそなえて1> 講師:安原素子氏 ■日本語アクセントの特徴 ・『アクセント辞典』の使い方 |
第7回 | 2008年10月3日(金) | <聞きやすい朗読法> 講師:岩井正氏(NHK日本語センター) ・アナウンサーとしての朗読は,比較的音訳に近い。 ・聞きやすい声になるには,練習あるのみ。 ・自分で録音したものを聞いて,より聞きやすい声を探すことが必要。 |
第8回 | 2008年10月16日(木) | <音訳の基礎(5) 音声化にそなえて2> 講師:安原素子氏 ■第1次下読みの方法と注意点 ・可能なかぎり音声化する。 ・わかりよさへの対処(意味が通らないことがらへの処理)法。 |
第9回 | 2008年11月7日(金) | <音訳協力者による録音図書製作体験談> 講師:コスモスの会より3名,ひまわりより2名 ・活動していくのに上手,下手は関係なく,「根気」が必要。 ・新聞などを使って,勉強会以外でも毎日声を出し続ける。 ・時間は使い方次第で,仕事しながらでも続けられる。 |
第10回 | 2008年11月20日(木) | <音訳の基礎(6) 音声化にそなえて3> 講師:安原素子氏 ■第2次下読み(通し下読み)の方法と注意点 ・わかりよさへの対処(処理)を加えた下読みをする。 ・なめらかな読みのためにする口馴らしをする。 |
第11回 | 2008年12月18日(木) | <音訳の基礎(7) たしかな音訳1> 講師:安原素子氏 ■書き記された通りの音声化とは ・書き表された意味の通りに読む。 ・聞く端からわかる読みをする。 |
第12回 | 2009年1月15日(木) | <音訳の基礎(8) たしかな音訳2> 講師:安原素子氏 ■音声化情報としての確かさを高めるために必要なこと ・理解を妨げない読み=解釈は聞き手に委ねる。 ・自然な聞き疲れない読み=過剰な演技的表現は避ける。 |
第13回 | 2009年2月6日(金) | <DAISYについて> 講師:吉広賢史氏(日本障害者リハビリテーション協会) ・録音図書のデジタル化を目指しまとめられた規格がDAISY。 ・世界共通(国際規格)のアクセシブルな情報システム。 ・目次に設定した場所へ簡単操作で移動が可能になる。 ・1冊の本を1枚のCDに録音できる。 ・「マルチメディアDAISY」音声と同時に画面上の文章の色が変わる。様々な障がいでの活用が考えられ,研究が進められている。 |
第14回 | 2009年2月19日(木) | <音訳の基礎(9) たしかな音訳3> 講師:安原素子氏 ■完成度の高い音訳をめざして ・音訳者自身が行う聞き返しチェック(モニター)の仕方 ・第三者が行う聞き返しチェック(校正)の仕方 |
第15回 | 2009年3月19日(木) | <音訳の基礎(10) まとめ> 講師:安原素子氏 ・音訳は総合科学,「熱い心と冷たい頭」で取り組む必要がある。 ・「仕事」として責任感と,高い意欲,向上心が求められる。 ・日ごろの訓練と心がけ *無理のない自然な声のために:ノドの健康保持に関心を持つ。 *聞き取りやすい発音のために:発音や滑舌の訓練を継続する。 *落ち着いた安定した読みために:正確に音読する練習を積む。 *好ましい表現力のために:よい読みを数多く聴いて耳を肥やす。 *調査(下調べ)する習慣をつける:わからないことを放置しない。 *辞典類にも限界がある:言葉に対するセンスをみがく。 |