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↑図書館講座へ戻る ↑メインメニューへ戻る 最終更新日2004/02/20 |
講師:谷川健一氏(日本地名研究所所長) 谷川先生は,民俗学や歴史学等を通して,長年日本人のアイデンティティや死生観を追及されています。編集者や諸学の研究を経て,昭和56年日本地名研究所を設立され,地名を守り研究を広めるため,全国的に活動を続けられています。 冒頭,「地名は飲料水と同様に日常茶飯事に使っているものの,自分達を養ってくれている事をややもすると忘れがちで,無神経に対応しています。最近の市町村合併で色々新しい地名もついていて,地名の扱いが粗雑である」と問題提起をされました。 地名は,何千年という昔から今日まで我々は一日も絶えることなく使ってきました。江戸時代7万ほどあった地名が,明治の町村合併で1万位に減りました。その時既に消えた地名が,今に至るまで地元の人によって使われているものもあります。地名は,錆びない文化財とも言えます。地名は,場所の認識の符号にとどまらず,人々の共同情緒を誘ったり追体験が出来る要素を持ち,大地に刻まれた歴史の索引のようなものと強調されました。 また,動植物や色などから推測できる地名の由来についても,具体的な事例を中心に紹介されました。それらは,遺跡,古代史,古事記・万葉集,民話,芭蕉の句や啄木の歌と,次から次と登場し日本文化そのものが身近に感じられる講演会でした。時間ぎりぎりまで,質問にお答えいただきました。
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