いつもは動物園やテレビでしかお目にかからないさるですが，
近頃はペットにする人も多いとか。
身近にこんなさるがいたら，楽しいだろうなあ。

「おさるとぼうしうり」ｴｽﾞﾌｨｰﾙ・ｽﾛﾎﾞﾄﾞｷｰﾅ　さく・え　まつおか きょうこ　やく　福音館書店

帽子を売り歩く行商人がおりました。その日はひとつも売れず，売り物の帽子を頭にのせたまま1本の大きな木の下でひと眠り。ところが目覚めてみると，帽子が見当たりません。見上げると，なんとまあ，枝という枝に帽子をかぶったさるがいたのです！ 腹を立てた帽子売りが「さるまね」に翻弄されながらも，期せずして帽子を取り戻す様子に笑いを誘われます。やや小さめの本ですが，明るい色彩で遠目がきく絵なので，小人数の読み聞かせにもどうぞ。（幼児から）

「ことばをおぼえたチンパンジー」松沢 哲郎　文　　薮内 雅幸　絵　福音館書店

「ことばをおぼえたチンパンジー」としてあまりにも有名な"アイ"。しかし，チンパンジーは声を出すことが苦手なので，人間と同じように話すことはできません。さて，アイはいったいどのような方法で言葉を覚えたのでしょうか？ チンパンジーと人間がいかにコミュニケーションをとってきたかを，長年に渡ってアイの成長を見守り続ける著者が，小学生向けにわかりやすく著した本。「チンパンジーはちんぱんじん（岩波書店）」「おかあさんになったアイ（講談社）」（いずれも中学生以上）などの関連図書を読むと，さらに理解が深まります。