祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
言わずと知れた平家物語の出だしの一節ですが,一行目を聞くとつい二行目を言いたくなってしまう人も多いのでは?
声に出してみると,意味はもとよりそのことばの響きの美しさに心打たれます。
近年,名文を声に出して読む,つまり音読がちょっとしたブームになっているようです。
そのきっかけと言えるのが,2001年9月に出された齋藤孝氏著の『声に出して読みたい日本語』という本です。ここしばらく忘れられていた(ように思われる)朗読のよさに再び注目が集まっています。
“声に出して読む”本はその後いろいろ出版されていますが,ためしにどれかに紹介された一篇で実行してみると,名文は声に出してこそ真価がわかる,と思えてくるでしょう。
今回はそういった音読・朗読関係の本と合わせて,声に出すことば,ということで,話し言葉や言葉遊び,言葉による人とのコミュニケーションという観点でも本を集めてみました。“ことば”の世界の奥深さに,新鮮な発見を感じていただければ幸いです。
最後に,冒頭の平家物語の一節の続きを載せておきます。
それでは,みなさん,ご一緒に!!
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる者も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき人も遂にはほろびぬ
ひとへに風の前の塵に同じ
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